アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
「そんなこと…考えたことなかったなー」
「えー?」
マトがいよりの立場だったら絶対に珠嘉を恨んでしまう
でもいよりは強がってるわけじゃなく本心から珠嘉を憎んだりしていない
今でも大好きなお兄ちゃんで、毎日心配しながら帰りを待ってる
最近は…珠嘉が小戸森と幸せに暮らしてるなら元気でいることをいよりに知らせてくれた後はここに帰ってこなくてもいいとも思えてきた
もし帰ってきたら親はまた珠嘉を跡取りにして前よりさらに自由がなくなってしまう気がするからだ
「だってお兄ちゃん…僕のこと愛してくれてたから…僕を傷つけることなんてしないって信じてる…」
「えぇ!自由になりたくて逃げたって思わないんだ…」
兄は自分に比べて親に愛され恵まれた環境で育ってると思っていたが実際いよりは前より今の方が窮屈で悩みも多い
珠嘉にかわって家のことに関わることになったいよりは乙藤家のこと、そして他の二家との関係もしり…三家の仲が思った以上に良くないことを初めて知った
そんなことはみんなとっくにわかっていたらしく、いよりは自分がどれだけ周りを見ることはせず珠嘉に頼っていたのか思い知った
「思わないよ…お兄ちゃん…会いたいな…僕、ちょっとは成長できてるかな…強くはなってきてると思う…お兄ちゃんに褒めてもらいたいなぁ」
『いより、頑張りましたね、僕の自慢の弟です』
なんて笑顔で言って抱きしめてもらえたらとっても嬉しい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
143 / 196