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唇になにかが当たって、口の端から液体がたれる感覚で目を覚ます
「ん……?」
「あ、起きた?」
「……?」
少し低めの声が聞こえ、頭を少し横に動かすと、氷枕が敷いてあるのが分かった
「大丈夫?」
「ぁ、はい」
「全然反応無くて焦った」
「…すみません…名前は?」
「矢野 椿」
誰か分からないけどずっといてくれたっぽい人
先輩かな?上靴の色が3年の学年カラーだし。
校則違反の茶髪が素敵ですね…。
オマケに小さいピアスも開いてますね。似合ってるけど違反ですよ。ネクタイも締めましょうね…鎖骨から色気がダダ漏れですよ…言えないけど…。
「俺倒れて、」
「ほんとにびっくりした…大丈夫?」
困ったように眉を下げる矢野先輩
「ちょっと頭いたい、です」
少し痛む頭を押さえながらゆっくり体を起こすと胸元に違和感
「わぁ…」
まさかの制服が大胆にはだけていた
はだけるっていうか、前のボタン全部外れて肩までずり下がってる
「あ、保健室の先生が脇とか冷やすからって…俺が脱がせてあげた!」
褒めて!と言わんばかりのキラキラおめめな矢野先輩
別に褒めねぇからな
「そうなんですね、」
「水、飲める?」
「あ、はい」
「あ、やっぱりいいや」
「え?」
差し出されたペットボトルの飲み口は俺の元へ来ることは無く、矢野先輩の元へ
そのまま先輩はペットボトルを傾けて、中の水を口に含む
俺の視線に気付いた先輩は、口に水を含んだままにこっと笑い顔を近付けてきた
「!、」
思わず仰け反った俺の後頭部をガッチリ掴まれ、いっそう顔が近づく。その距離は僅か2センチ
目の前にある淡い茶髪が近づいてくるのに見とれていると、唇にふわっとした感覚
「ぅ、っん、んん?!」
その直後に舌で唇を割られ冷たい水が口の中に流れ込んでくる
どうすることもできなくてごくんと飲み込む。
すると今度は はなにか違うものが口に入ってくる
それがなにか分かるまで数秒も掛からなかった。
「ん、ぅ…ぁ」
上顎を舌先で擦られ鼻にかかった声がでる
苦しくなって息をしようと口を開けると強引に舌を絡められて、余計に苦しい
「ぅ、ん、ん」
「ふ、」
なんで、どうして、の前にとりあえず苦しくて肩を押し返すと、最後に舌先をちゅっと吸われる。思わず腰が跳ねたのは気づかれてないっぽい。
ゆっくり糸を引いて離れる唇に思わず目をそらした
「ふ、ぁ」
「気持ちよかった?」
ぶんぶん頭を振るとくすくす笑う先輩
「でも腰、ビクビクしてたよ?」
「してないです」
普通にバレてたし、てかどんなのが気持ちいいのかわかんねぇし、でもなんかムズムズするしこんなエロいキスなら矢野先輩じゃなくて、……
矢野先輩じゃなくて、誰?……俺……いま誰とキスしたいと思った?……?
浮かんできた顔を振り払うようにぶんぶん頭を振る
「おい、聞いてる?」
「え?」
「僕、君が好きなんだけど」
「は?」
「だからぁ、廉くんが好き」
好き好きと繰り返す矢野先輩の顔は真顔でとても告白しているようには見えない
「え、いや、あの、」
「返事は?」
驚き過ぎてなにも言えない俺をいいことにグイグイ迫ってくる矢野先輩
「ちょっと、ちょっとまっ、ちょっと待って!」
「っわ」
思わずその両肩を突き飛ばしてベッドを降り、
そのまま上靴も履かずに出口を目指す
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