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言葉
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side 紬
直は言葉を扱うのが苦手だ。
『直、好きだよ。』
「ん、俺も。」
でもその代わり、表情や仕草で想いを伝えようとする。
それが、可愛くて仕方がない。
『俺も、何?』
ほら。
許して?って見上げてくる。
『何?』
頬を軽くトントンと叩く。
今度は俯く。
あぁ、だんまりモードだ。
俺が諦めるのを待ってる。
『俺のこと、好き?』
「……………ん。」
これが、最大限の答えなのだろう。
でも、許してあげない。
『言ってくれないの?』
俯いたまま顔を胸に埋めてくる。
ぎゅっとシャツを握る。
許してって。
『………。』
「………………。」
耐久戦だ。
どちらが先に諦めるか。
ちゅっ
不意に唇の端、唇同士がほんの少しだけ重なる場所にキスされる。
じっと見つめて。
また顔を埋める。
『普通、そっちの方が勇気がいると思うんだけどね。』
「…………。」
可愛い。
「なんか……」
『ん?』
「偉い人が、言ってました。」
『……うん。』
「愛は見返りを求めちゃダメだって。」
なるほど。
これ以上は何も言わないぞ。
っていう決意表明。
これ以上は求めるな。
っていう意思表示。
『そっか。』
十分可愛い姿を見れたから、満足ではあるけど。
「でも………」
?
「やっぱり、好きな人には好かれたいですよね。」
ほぉ。
『そうだね。』
直の遠回しすぎる「好き。」を受け取って。
こっち向いて?と、頬をトントンする。
見上げた瞳の端に軽く口づける。
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