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2A登校2
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「立山先輩、本当に来てくれた」
「あ?当たり前だろ。約束したし」
先輩は僕との約束を忘れずにいてくれた。
そんなことがどうしようもなく嬉しくて、涙が出そうになる。これをキュッとこらえて、来てくれてありがとうございます、と精一杯の笑顔を作った。
「お、おい。なんだよ、その顔…可愛過ぎかよ」
「へ?なんか言いました?」
「なんでもねぇようっせぇな!一兄もニヤニヤしてんじゃねぇぞ」
立山先輩が急に怒り出したけど、なぜ怒ったのかわからない。遥先生も遥先生で、青春だねぇ、なんて意味のわからないことを言っている。
はて、立山先輩が怒ることは青春なんだろうか。
「なんか、僕だけ話置いてかれてる気分です」
「まぁ郡山は鈍感だからな。そんなとこもかわ、いや、あほくせぇ」
「あほくさいなんて!先輩ひどいですよー」
3人の中で軽く笑いが起きて、場が和む。
「あっ、そういえば遥先生。土曜日に立山先輩のお家お邪魔させてもらったんですよ!」
「うんうん、ナツから聞いたよ」
その後も会話が続いて、遥先生と話していたら、立山先輩がちょっと、と切り出した。
「そろそろ、郡山を連れて行きたいところがあるんだけど」
「ごめんね、僕はお邪魔虫だったね。いってらっしゃい。ナツ頑張れー」
「うっせぇよ」
じゃあ付いて来いという先輩と一緒に、保健室を後にする。
「あの、これから僕が行くところ、どんなところなんですか」
「行って絶対後悔はさせないところだ。んでもまぁ、怖かったらまた保健室戻ってもいいし」
不安と期待が入り混じって、なんか不思議な気分。入学式やクラス替えの時に感じるドキドキのようなものを味わっていた。
でも、立山先輩が大丈夫っていっているところなんだ。きっとそこは、僕を傷つけるような場所ではない。
それだけは確信していた。
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