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自覚5
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立山先輩が好き。
そう気づいてから、先輩との距離をどうしたらいいのか分からない。体育祭はもう明日に迫っているというのに。
ダンダン
バスケットボールを打つ音が脳内に響く。今の僕にとってこの音は重すぎて、よろけて倒れてしまいそう。
「全然なってねぇよ!もう一回やり直しだ!」
「はい!」
ネットを隔てたコートの奥、甲組のコートから大好きな声が聞こえてくる。
先輩の声、かっこいい。声までかっこいいって、本当、ずるいよ。
先輩の声を聞くだけで僕は有頂天になってしまう。それだけで、つい顔がニヤけて。窓ガラスにそんな自分の顔が映ると、好きなんだなぁと実感する。
「郡山?おい郡山?」
「えっ、あ、はい。すみません」
「怒ってないけど、大丈夫か?今日ずっと上の空って感じで」
上の空、か。
ダメだな。先輩のことが好きなら、先輩がリスペクトしてるバスケで手を抜くなんて、絶対だめ。
いくら先輩のことが好きでも、部活中は集中しないと。
気合いを入れ直して、練習を再開した。
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