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見立てデート12
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大志の部屋は昔入った時と何も変わっていなかった。
教科書が積まれた勉強机に、床に散らばった鞄や服たち。お世辞にも整理整頓されているとは言えない部屋だ。青色のカーテンは開け放たれていて差し込む光が眩しい。
せめて床に散らばっているものたちはなんとかしてあげたいけど、勝手に人の部屋を片付けるのもどうかと思う。
どうしようか迷った挙句、とりあえず部屋の端に正座した。
大志が部屋に来たのは、その時だった。
「あっ。お邪魔してます…」
頭を下げる仕草をした。
大志はなぜか目をまん丸に、口を半開きにしている。お風呂上がりだからか顔も赤く火照っている。
「あの、大志?どうしたの?」
「遥…お前、マジで無自覚?」
なんのことを言われてるのか分からない。
「もしかして、やっぱり先に部屋入るのダメだった?」
「そうじゃなくて。あのな遥、考えても見ろよ。好きな子が彼シャツに生足ってやばいだろ。どう考えてもやばい。襲ってくれって言ってるようなもんだ」
「なっ、なにそれ!大志のえっち!」
足を出していることが急に恥ずかしくなって、長いTシャツを必死に伸ばす。
「それ逆に煽ってるだけだから」
大志がゆっくりこっちにやってくる。
だんだん追い詰められているような気分になって、怖くなってきた。
そしてついに僕の目の前まで来たとき。
怖くてぎゅっと目を瞑ると、次の瞬間大志の匂いに包まれた。
「ごめん遥。俺なんもしないって言ったのに」
どうやら僕は抱きしめられているみたいだ。
されるがままになっていると、足の裏に腕を入れられて、そのままお姫様抱っこされてしまった。
「おっ、おろしてよ!怖い」
「大丈夫、じっとしてて」
すとんと優しく落とされたのは、大志のベッドの上。
これがどういう意味なのか分かって、初めて大志が怖くなった。
(助けて、立山先輩)
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