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「いつからだ?」
「…えっ……?」
涼ちゃんに連れられ家に帰ってベッドに寝転ぶ。
「お前のその体」
「…なんで……?」
「お前が体調崩すなんてめったにないから」
涼ちゃんには何もかも見透かされてる気がする……
「そんなことないよ……?俺だって人間。たまには体調だって……」
「何を隠してる?」
涼ちゃんの真剣な顔。授業もこうやって真剣な顔して受けてくれたらいいのに……
そんなことを思いつつ涼ちゃんに俺の体質について語る。
「気づいてるかはわかんないけど、俺の体は少し特殊みたいで……何らかの匂いやフェロモンを感じると発情するんだ」
「それはいつから?」
「高校かな……気づいたらそうなってた……」
「その病気?体質は治るのか?」
「わかんない……うちの近くの診療所に行ってみてもらったけど原因がわからなくて……」
涼ちゃんは深刻そうに俺に言った。
「あずさ、病院行こう……」
「え?」
「ちゃんとしたところで検査してもらった方が……」
「でもそんなお金ない」
「それなら俺がおじさんやおばさんに話して……」
それだけはやめてほしい。あの人たちに知られるのは……
「……涼ちゃん……」
「ん?何だ?」
「涼ちゃんは……親が再婚したのは、知ってるよね……?」
「あぁ、中学ぐらいだっけ……」
「うん……最初は仲良かったんだ。美人な母親に、優しくて頭のイイ義兄。理想の家族……だった。だけど……1年で崩れちゃった……」
あの時のことを思い出したら涙がこぼれてきた。発情しているときいつもイヤな過去を思い出す。
それを忘れたくて俺はイヤでも人肌に触れようと誘惑する。
「…」
「だから今は一人……気を使わせてごめんね……連れてきてくれてありがと……帰っていいよ……」
涼ちゃんにはこんな姿見せたくなかったのになぁ……
すると涼ちゃんは俺の頭を撫でた。
涼ちゃん……?
「お前はいつもどうでもいいことは言わなくてもしゃべるのに、本音や不安なことになると消極的になるな」
「だって……怖いもん。元々友達少ないのに、避けられたり嫌われるのが……俺は涼ちゃんが大切だもん。言えないよ……」
壊したくない関係ほど相手に気を使ってしまうのが癖づいて、言えなくなっていく……
そう言うと涼ちゃんはため息をついた。
「はぁ……本当にバカ……」
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