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テケテケおばけという存在を知ったのは中学2年生のときだ。
毎日勉強に明け暮れていたそのころ、そんな僕とは無縁だろう陽キャ達の会話を盗み聞きしていたら、その存在の話が聞こえてきた。
教室の温度は上がり、汗がとめどなく流れてくる季節にぴったりな怪談話の1つとしてテケテケが出てきたようだった。
「真冬の北海道で起きた事件の話だ。一人の女性が不慮の事故で電車に轢かれてしまった。
女性は上半身と下半身が真っ二つになってしまってな、その上半身だけが轢かれずに道に放り出されたんだ。
その女性はなんと意外なことにも、意識を保っていたんだ。
というのも、そこは吹雪が止まらぬ真冬の北海道。女性の血管はそのあまりの寒さに凍って塞がれたんだよ。
それから女性はその死にかけの上半身を両手でずるずると引きずりながら、数分間助けを求め続けたらしい。
結局、彼女は駅員にブルーシートをかけられてそのまま息絶えたという……」
悲しき事件の話。それだけか?
「そしてその話を聞いてしまった人の前には上半身だけの女が現れ、その下半身を取ってしまうらしいぞ。だからお前らも……!」
「うわっ!やめろよ……まじで怖いじゃんか~」
「1番怖かったね~……次!なんかいい怪談話ある人!」
そのままそいつらは違う怪談を話し始めてしまった。
とくにテケテケの話を聞いて何かに惹かれたわけではない。
でも……もし僕がテケテケに下半身をプレゼントすることができたなら……
なんてそのときはそんな馬鹿なことを考えてしまった。
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