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・・・そんな食べ方をしたのは、ほんの出来心。
無邪気にパンを頬張る様子を見て、可愛いなぁと思ったのがひとつと・・・急に俺を見たんだ。
俺を見る目が、好きだと言っているようで、堪らなくなった。もぐもぐと動く口を、塞いで絡め取りたいと思ったのも、ある。
本当は怖がらせるつもりもなかったし、ただひたすら甘やかして甘やかして、俺の虜にするつもりだったのに、汗の浮かんだ額に張り付く前髪や、綺麗なうなじ、パンを飲み込むたびに上下する小さな喉仏にかぶりつきたくなって、もっと近くに・・・小夜のパーソナルスペースに入りたくなった。
キスをするくらいの、近距離。
キスは出来ない、この関係。
モヤモヤなのか、ムラムラなのか。
気がついたら、一口ちょうだいとおねだりしていた。
小夜の口の代わりに、パンを咀嚼する。
小夜のうなじの代わりに、唇を舐める。
俺を見て。こんなに小夜が欲しいと言っている。
俺の唇を凝視する小夜。何か感じるところがあるのだろうか、ごくりと喉仏が上下した。
小夜にかぶりつきたくて、もう一口パンを頬張る。
俺の事を好きになって。俺しか見えないように、俺だけのものに。
小夜、小夜。
小夜。お願いだよ、大好きなんだ。想いが届きますように。
そう思いながら、顔を離した。
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