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美味しくご飯を完食した後で、街を案内しながら俺の家に向かう。途中、コンビニに寄りたいというから何かと思えば、俺にデザートをプレゼントしたいということだった。
正直、甘いものは余程疲れた時にしか口にしないが、小夜の心遣いが嬉しくて、ここは甘えることにした。
「ありがとう。」
買ってくれたデザートの入ったビニール袋を受け取ってお礼を言った。
「ここの居酒屋は、すり身揚げがとにかく美味くてね。ビール片手に、熱々のすり身揚げをマヨネーズにつけながら食うのが、この店での定番。あの角のお好み焼き屋さんはね、出来上がったら魚粉をかけるんだ。青のりと鰹節くらいしかふりかけないと思っていたから衝撃を受けたんだよ。そこの美容室は入ったことはないけど、窓から猫が外を覗いてて、看板猫なんだろうね、とてもキュートな女の子なんだ。」
俺の住む街で、俺がどういう生活をしてるのか知って欲しくて、さながらバスガイドよろしく案内していく。
その俺の説明に、小夜はニコニコしながら食べてみたいなーとか、猫ちゃん今日居ないねとか、楽しそうに相槌をうってくれている。
俺の服を引っ張って、ねぇ、あそこは?と質問もしてくれた。
この無意識の甘えは、なんなんだろう。
くしゃりと頭を撫でると、嬉しそうに目を細める。段々と猫に見えてきた。多分もうすぐゴロゴロと喉を鳴らすんじゃないだろうか。
「小夜、この角を覚えておいて。右側に渡辺さん。左側に野菜屋さん。夜来る時には、野菜屋さんは閉まってるから、渡辺さん家のこのトンガリ頭の小人さんを目印にしてね。ここと似た作りの佐藤さん家には小人がいないからね。間違って佐藤さん家のところの角を曲がっちゃダメだよ?」
渡辺さん家は普通の日本家屋で特段特徴という特徴がないのだが、玄関脇に小人の置物が置いてあるから、それがまぁ、目印の1つになる。
この角を渡辺さん家側に曲がって、2つ目の通りが俺のマンションだ。
「○○ステイツマンション?」
「そう、ここの3階ね?」
「うん。」
「どう?1人で辿り着けそう?」
「多分、大丈夫!」
親指を立てて笑う小夜によくできました!と頭を撫でると彼はもじもじと はにかんだ。
郵便物確認して、エレベーターのボタンを押す。
「303だからね。」
「さんまるさん、さんまるさん、さんまるさん・・・。」
ブフッ!!
「・・・覚えた?」
聞くと元気よく「うん!」と気持ちの良い返事をしてくれた。
「よくできました。」と褒めてあげると、小夜は「ご褒美、たくさん貰わないとねっ!」
と史上最強の爆弾を打ち込んできた。
・・・俺、死ンダ。
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