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◎Confiseries~ヌガ・モンテリマール&パート・ド・フリュイ
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Confiseries(コンフィズリー)。砂糖菓子、という意味合いである。
Doragees(ドラジェ。アーモンドをカラフルな糖衣を施した祝い菓子)、Calissons(カリソン。マジパンとフルーツのコンフィとシロップをグラス・ロワイヤルで仕上げる)、Nougat(ヌガー。卵白、砂糖、ナッツ)、Fruits confits(フリュイ・コンフィ。シロップに付け込んだフルーツ、という意味意味合い)、Pate de fruit(パート・ド・フリュイ。フルーツのピューレをペクチンで固めたゼリー菓子。仕上げにグラニュー糖で仕上げる)、Praline(プラリーヌ。アーモンドをキャラメリゼした菓子)、Guimauve(ギモーヴ。卵白、ゼラチンで固めたもの。マシュマロをさす)、Caramel(カラメル。キャラメル。生クリーム、砂糖、バター、砂糖、果物を使う。ブルターニュでは塩キャラメルでお馴染み)、Marron glaces(マロングラッセ)、Coussin de Lyon(クッサン・ドゥ・リヨン。クッションの形をしたコンフィズリー。マジパン、ガナッシュを使うリヨンの銘菓)、コンフィチュール・・・
ロベールはその日、ヌガー・モンテリマールを作っている。その日、コンフィズリー担当。
「モンテリマールとは、仏・ローヌ=アルプ地方の南西部に位置する町だ。そのモンテリマールの銘菓のひとつに[ ヌガー・モンテリマール ]があげられるんだ。モンテリマールのヌガーと名乗るには規定があり、その全体量に対し28%以上のアーモンドと2%以上のピスタチオ、25%以上のハチミツを含まれることが必須条件だ」
隣ではダヴィッドがパート・ド・フリュイを任されている。
コンフィズリーは高温で作業をしなければいけない。
火傷といつも隣り合わせである。
瑠衣はその日、ヌガー・モンテリマールの計量を任されていた。
「ヌガー・モンテリマールはムラング・イタリエンヌのヴァリエと見るとよい」
【Nougat Montélimar】
1. メランジュールに卵白と砂糖を入れて泡立てていく。別鍋に蜂蜜、水あめを125度まで煮立てる。
2. 125度まで煮立った蜂蜜・水あめをメレンゲに加えていく。
3. 別途の鍋にシロップ(水、水あめ、砂糖)を155度まで煮立てる。
4. メランジュールのフエ(葉型)に付け替え、3のシロップを加える。シロップの温度が高いほど、固まりやすくなる。
(キャンディーのように硬くてもろい食感)
5. バーナーでメランジュールの周りをあぶって、さらに水分を蒸発させる。
6. ナッツ類を加え、全体を絡める。
7. 下にウエハースを敷いて、1cm位の厚さに整える。
8. 上にベーキングシートを敷いて、麺棒で薄く、平らにしていく。
「ルイ、ヌガー・モンテリマールを試食するか?端っこのを食べるといい」
「メルシー、ムッシュ・ロベール」
瑠衣は早速、ヌガー・モンテリマールを試食した。
ヌガーは歯につきやすいのが特徴。それで、歯医者通いを余儀なくされるケースも少なくない。
それがヌガーの醍醐味だけれど。
「美味しい・・・カリッとしている・・・」
「蜂蜜を高温で煮詰めて、黄金色にしたものもある。それは卵白を入れずに作るんだ。兎に角、ヌガーは17世紀から伝わる菓子で有名だ」
*******
パート・ド・フリュイ。傍らではレイモンが計量を任されている。
少しでも、材料が欠けていると、ディミトリたちから叱責される。
仕上がりに左右されるからだ。
【Pate de fruit】
1. ペクチンとグラニュー糖を合わせて使う。
「ダマ避けなんだ」
2. フランボワーズ、リンゴのピューレ、水あめを鍋に入れて、かき混ぜながら沸かしておく。
(好みのフルーツピューレを使ってもよい)
「ここで注意事項だ。ペクチンは温度が高くならないと溶けないんだ」
3. 2を絶えずかき混ぜながら、1を少しずつ、加える。
「ダマにならないよう、少しずつ、入れていく」
4. 109度まで煮立てていく。糖度75%が条件。
5. 別途材料の水で溶いたクエン酸を109度のピューレに加える。
「クエン酸を入れたら、急いで作業しないといけないんだ。すぐ、固まるから」
6. バットにコーンスターチを入れておいて、型を作ったところに、5を入れる。固まったら、グラニュー糖をまぶす。
******
瑠衣の専門学校時代のときのこと。
父・玲央がパート・ド・フリュイを手掛けていた。
「クエン酸を入れた時点ですぐさま固まってくるから、チャッチャとやらなきゃ駄目だ」
完成したパート・ド・フリュイを見た瑠衣。
「わあ・・・綺麗だな・・・父さん、僕も作って見ていいかな?」
「但し、店の材料を使うのは厳禁だ。いいな?」
「ええぇ!?」
材料費は馬鹿にならない、という背景が付きまとう。
コンコルドでは、個数限定でパート・ド・フリュイを販売する。
「ダヴィッドのきまぐれ」というポップを付けたうえで。
数多く作れないため、夕方にならないうちに売り切れることもしばしば。
昼過ぎ、瑠衣は販売に入る。
「ダヴィッドの作るパート・ド・フリュイ、宝石のごとくだ」
程なくして、パート・ド・フリュイが次々と、客の手に渡っていく。
「セ・シルププレ(これください)」
「メルシー」
******
作者yunaより。
コンフィズリーをテーマにしました。砂糖菓子という意味合いです。
砂糖菓子はいろいろあります。
パート・ド・ギモーヴ(マシュマロ)、ヌガー、マロングラッセ、カリソン、パート・ド・フリュイ、カラメル・ムゥ(キャラメル。ムゥは柔らかいという意味合い)、ドラジェ、クッサン・ド・リヨン(リヨンの銘菓。ガナッシュをマジパンで仕上げた砂糖菓子の一種)、プラリンヌ、ボンボン・・・
ガナッシュをボンボンでくるんだキャンディーも。
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