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◇ お手伝い
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「ヒムル国王、おはようございます。」
男の人は深くお辞儀している、ってことは本当なんだ。
「おはようございます、セレン。
ところで、リクに何か言いましたか?
倒れる所だったのですが。」
少し。少しだけ、ヒムルさんの雰囲気が怖いものに変わった気がした。
僕が何かしてしまった?
勝手にベッドから抜け出したから?
家の人と勝手に話したから?
こんな貧相なのを家の人達に見せたくなかった?
ヒムルさんはそんなこと思う人ではないと分かっているはずなのに、変な思考が頭をよぎる。
「は。ヒムル国王はどのような方なのかと、説明を少々…。勝手なことをして申し訳ありません。」
「……そうですか、ありがとうございます。下がっていいですよ。」
「は。」
男の人はまたお辞儀をして、行ってしまった。
しばらく眺めているとふわっと頭を撫でられる。
…あ、落ち着く。
「ぼ、僕。ヒムルさんが王様だって知らなくて……
王様なら、なおさら僕なんかと一緒にいてはいけないのではないでしょうか。」
思ったことをそのまま言ってしまった。
ヒムルさんは少し難しそうな顔をして、
「ん~……国王ってそんなに偉いものじゃないんだよ。国民達と同じように、仕事をしてお金をもらってる。まぁ、ちょっと難しい仕事ではあるけどね。」
と言った。
「え、王様もお仕事をするんですか??」
「もちろん」
そう、だったんだ……。王様って何もしなくてもお金もちなのかと思ってたなぁ。
「では、その、えっと、、先程のセレン様?さん?はこの家でお仕事をしているのですか?」
「そうだよ、この家と俺、もちろんリクも守ってくれる。とても強い“護衛”っていうお仕事だよ。」
「ごえい……。あの、僕も何かしたいです。お仕事。」
……その一言で会話が止まった。
また、僕いけないこと言った????
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