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ひねくれ者の、
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「はっ、はぁ、」
「気持ちよかったね?」
「るさ、い」
強い快感のあとは必ずといっていいほど疲労感がどっと押し寄せる
実際俺は自慰とかそんなに好きじゃない。
だからといって適当な相手と体を重ねるなんていまはしないけど
金井の肩口に額をつけ息を整えようと何度も呼吸を繰返す
空気を吸い込めば金井の石鹸みたいな香りと少しの汗の匂いがする
そういえばここにすごい急いできたみたいだったしな
すんっと鼻を鳴らして無意識にすり寄ってしまう
…落ち着く
「伊澄さーん、すっごい可愛いことしてるのはわかるんだけどそろそろ手を離してもらっていい?」
「手…?」
目を瞑って浸っていた金井の肩口から手元に視線を移す
「触ってもらえるのは嬉しいけどさすがに恥ずかしい、かな?」
「っ!?!?」
そういえば、掴んだままだった!!!
慌ててソレから手を離して急いで下も履き直す。
もっと早く言えよ!!!
脱兎のごとく洗面台の方に向かい手を洗う
「そんな慌てなくてもいいじゃ〜ん」
遅れてのそのそやってきた金井は後ろから被さるみたいに立って手を洗い始める
「もっと早く言え、」
「えー、でも伊澄さんすっごい気持ちよさそうだったし可愛かったよ?」
「そんな話してない!」
「もちろん怒った顔も可愛いけど!」
鏡越しにウインクをしてみせる金井にため息をついて泡まみれの手に視線を落とした。
と、
「、お前、指」
「ん?ああ、伊澄さんは気にしなくていいよ」
金井の指には血が滲んでくっきりと歯型がついていた
俺が、噛んだ、あと
先程の行為を思い出して顔が熱を含むがあることに気づいた
「そういえばお前、イッてない、よな?」
「なんでイくとかは真顔で言えるのにキスは恥ずかしがるの?伊澄さんの恥ずかしがるポイントがわかんないんだけどー」
「話を逸らすな」
「えー、」
金井はさほど気にしていないようだが俺としては大問題だ
そんな、俺だけき、もちよくされて終わりなんて嫌だ。
「さすがに痛みで興奮する性質じゃないからね」
「ごめん…」
「もー、そうなるから言いたくなかったんだよ」
そりゃ普通に血が出てるし痛そうだ
気にするのは当たり前だ。
俺がつけた傷なら尚更…
「…痛い、よな」
「ん?それはまあ痛かったけど伊澄さんから貰ったものなら割となんでも嬉しいよ?」
「なっ、」
あっけらかんとそう言う
それが本心だ、と分かってしまうから何も言えなくなる
「ま、そんなわけだから伊澄さんは気にしなくていーの!ほら、手洗ったなら向こう戻ろ!」
ほらほら、と拭き終えない水浸しの手でグイグイ洗面台のから押しだされる
濡れた手で触ったら服濡れるだろ!
といつもなら言ってるが傷のことが気になって口を噤む
ベッドの上に座って一息つき
「悪かった。」
「だからー、もうそれはいいって」
「それだけじゃなくて、その、新木のこととか、迷惑かけた…」
「…」
新木の名前を出せば一瞬驚いた顔をして真顔になる金井
普段ヘラヘラしてるやつが真顔になると何考えてるかわからなくて余計不安になる。
不安に揺れ始める心に負けて視線をかないから逸らした
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