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◇33
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純平くんのように、すなおで真っ直ぐに誠司と向き合えていたら。
もしかしたら違う今があったのかもしれない。
強がりで素直じゃない自分の性格が嫌になる。
一緒にいて
僕だけを見て
僕だけを愛して
言えない想いがぐるぐると頭の中でまわっていた。
ピロリン
通知音ではっとする。
最近はすぐに誠司の事を考えてしまい、ボーッとしている時間が増えた気がする。
きっとそれも、気持ちが暗くなる要因なのだろう。
『お返事ありがとうございます!
俺、隆二さんと本当に仲良くなりたいので今度一緒に遊びましょう!』
社交辞令のようなメッセージだ。
こんな男と付き合っているような人と仲良くなりたいわけないのに、無理させてるのかな。
そんなひねくれた考えが頭を過ぎる。
ネガティブな性格も、自分の嫌いな所だった。
適当なスタンプで返事をし、携帯電話をベッドに投げる。
(疲れた。何も考えたくないし、誰とも関わりたくない)
1度ネガティブな思考に囚われてしまったらなかなか抜け出せない。
濡れた髪をそのままに自分もベッドに横になる。
携帯電話の電源を落とし、静かに目を閉じた。
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