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「わあ!」
お店はcloseの看板が掛けられていた。
恭しく扉を開けた山下さんに、笑顔を向けながら足を踏み入れる。
「わぁ!凄い!!」
床はダークブラウン、壁は真っ白で、天井は真っ黒。
「手前がネイルサロン、奥がオイルマッサージのサロンだよ。」
「美容室じゃないの?」
「一番奥にシャンプー台は置いてるけどね。」
ヘッドスパもできる環境は整えているのだそうだ。
「ヘッドスパは時間もかかるし、技術も必要だから、俺がここに来れる日だけの完全予約制。」
「へぇ。じゃあ、頭の先からつま先まで綺麗になれるってこと?」
「その通り。」
奥から順番にやっていけば、美人さんの出来上がりだ。
「見てもいい?」
「いいよ。」
楽しそうに、これはなに?あれはどうするの?と質問をすると、丁寧に教えてもらえる。
山下さんを独占している嬉しさと、真新しいものへの興味でどんどんテンションが上がってきた。
「楽しい!」
「良かった。」
優しく見下ろされると、なんだかモゾモゾしてしまう。
照れ恥ずかしい感じ?
エヘヘって感じ?
わかるかな?
そんなモゾモゾっとした感情で、山下さんを見つめる。
「ん?」
「ううん。俺、大輔さんみたいな大人になりたい!」
「え、俺?ロクでもないよ?」
困った顔をされたけど、笑顔で言い切った。
「素敵だよ。優しくて、格好良くって、憧れちゃう。」
山下は、光太郎の真っ直ぐな目が眩しくて目を眇めた。
こんなに真っ直ぐに来られると今までやってきたことが酷く汚く思えて仕方がなかった。
こんな汚い大人なのに。
「・・・ありがとう。」
光太郎と一緒にいる時間だけは、その汚れた手も綺麗になっていく気がする。
危ない、と思った。
ハマってしまう・・・。
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