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俺の2
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「じゃあ行こうか」
と、春に声をかけ、さり気なく手を繋いだ。
ちっちゃくて可愛い手だな………なんて思っていると、春が驚いたのか、俺を凝視してきた。
春「……ぇっ…!で、でもここ外です……」
春は不安そうな顔をして、俺の手を離そうした。
俺はそんなの許さないとでも言うように、さらにギュッと握り返した。
春は俺との関係を口外にしたくないのだろうか……、そんなことないと思いたい。
「………見せつけてんの。春は俺のだよって」
春「………へ……っ、」
俺はわざと挑発的な笑みを浮かべて、春の反応を見た。
俺の言葉に春はボボボボッと顔を赤くし、顔を俯かせた。
…………よかった。この様子だと手を繋ぐということ自体は嫌ではないようだ。
「それに、春迷子になりそうだから」
春「…………むぅ、僕小さい子じゃないです…っ」
念のため保険をかけて、意地でも手を繋ぐようにした。我ながら悪足掻きが凄いなとは思ったけど。
「………ふふ、ごめんごめん」
隣で口を尖らせてる春を可愛いなと思いながら、俺はまたギュッと春の手を握った。
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俺たちはそのまま会場に着いて、人の多さに驚かされた。
春「………ふぁあーー……凄い人ですね…」
春も俺が思ったことをそのまま口に出している。
そんなところすら可愛いなぁって思うくらいだから、相当俺は重症なのだろう……。
とりあえず、俺は昔からこの花火大会には来ているから、春にとっておきの場所で花火を見させてあげたかった。
「うーん…、花火を見る場所はとっておきのところ知ってるからいいとして…、何か食べるもの買って行こうか」
春「……えっ、穴場ってやつですか……っ!わぁ……凄い……」
俺の言葉に素直に感動したのか、顔をパッとこちらに向け、キラキラした目と上気した頬で見られたら、この地元に生まれてよかったと初めて思った。
「………まあね、どれ食べたい?春」
……んーー、焼きそばかたこ焼きらへんが持ち運びやすいかな。
そう思っていると、春と繋いでいる手にキュッと軽く力が込められた。
春「……えっと、…………りんご飴…」
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………なんだこの可愛いのは。
思わず春の方を見ると、春は歩きながらりんご飴の屋台をガン見していた。
歩きながらだからどんどん首が回っていって、そのまま回転しそうだ。
「…………ぷっ、春ったらかわいいなぁ……、りんご飴ももちろんいいけど、夜ご飯になるもの買おうね」
春「…………はっ………うぅ……///」
りんご飴の屋台を見ていた春はハッとなり、顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
………可愛いすぎて結構しんどいものがある。
俺は心中で悶えながら春がリクエストした焼きそばの屋台まで春を引っ張って歩いた。
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