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提案
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僕の態度が一変したことに驚いたのか少しの間沈黙が続き、先に声を発したのは先輩だった。
「わりぃ、言いすぎた。お前が選んで付き合ってんだもんな。」
「いえ....大丈夫です....」
そうやって謝られてしまうと完全に嫌うことが出来ない。
どんなに嫌な視線を向けられたとしても、尊敬する先輩、ということは変わらない。バレーの面だけではあるが。
心の底から嫌うことが出来ればいいのだが如何せん幼い頃に酷いことをされすぎてしまった。そのせいであの人よりはマシ、あの時よりは酷くない、と無駄に庇ってしまう。いっそのこと実害があればいいのだろうか....でもそれでは本末転倒だ。真も心配する。
はぁ....今後の付き合いをどうしていこうか....考えるだけで気が滅入る。
もう....帰りたい....
その後先輩が話すのに合わせて適当に相槌を打ちながら、お昼ご飯を食べ切った。少し多かったけど、美味しかった。
この後どうするんだろうか....お店はだいぶ回ったし、洋服もかなり買っていた。
家に行く....とかになってしまうと、真たちがこれない。それはお断りしたいが、どうしよう。
「遥、この後どうする?店もだいぶ回ったしつまらなそうだし。どこか行きたいところはあるか?」
ここでまだいたいといえば居れるだろうか....でもつまらないのはバレてるようだし....どうするのがいいかな....
「先輩は行きたいところ他にないですか....?今日は僕が先輩に付き合う日ですから、他に行きたいところがあれば....」
まて....これは家だと言われたら終わるやつ....断れないやつ....!
しくじった....どうしよう....
「あー....じゃあカラオケ....とか行くか?」
「カラオケ....ですか....?」
家よりマシだが....行ったことない....どうしよう....
「いやか?」
「いえ....大丈夫なんですけど....慣れてないので....それに歌うのが苦手で....見てるだけでもいいなら....」
「いや....それはそれでつまらないだろうし....他に買いたいもんとかねえのか?」
そう言われても....バレー関連のものなら一緒にいても変な空気にならないだろうか....
「あ....じゃあ....あの、近くにあるスポーツ用品店いきませんか....?シューズとか練習着とか色々見れると思いますし....」
確かこの辺りにスポーツ用品の専門店があったはず....さっきたまたま目に入った地図に周辺の建物が載っていた。
そこにはスポーツ用品店の名前があった。もし今日が営業している日ならばそこに行くのは得策かもしれない。
「あぁ、それいいな。とりあえずそうするか。」
「はい。」
上手くいった....バレーの話ならしっかりついていけるし、変な方向に話が傾くこともほとんど無い。
それに、その話なら僕も楽しめる気がする。
心の中でガッツポーズをしながら、お会計を済ませ、先輩のあとをついて歩く。
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