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考え事
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ショッピングモールを出て、また数分歩く。前回来た時は車だったのと、さっき通ったときは余裕がなくてあまり周りを見ていなかったから改めてみる街並みは幼い頃の遠い記憶とは大きく違った気がした。
....昔、ここのように人が多くてお店がたくさん並んだ道を母と歩いたような気がした。
朧気で本当にあったのか分からない記憶だがどこかあたたかく、懐かしい。
そんなふうに物思いに耽っていると、先輩に呼ばれた。
「遥、おい、遥」
「っあ、は、はい....」
「考え事か?」
「そうです....すみません....」
ついぼんやりしてしまっていた。
久しぶりに思い出した母の顔はすこし記憶に靄がかかったようで、はっきりと思い出せなかった。
....もう10年ぐらい前になるのか。
あぶない、また考え込んでしまうところだった。考え事は家に帰ってからたくさんしよう。それだけの時間が今の僕にはある。
「いや、大丈夫だ。そろそろ着くからな。ほら、あれだ。あのでかい建物。」
指をさされた先を見ると広い駐車場の奥に大きな建物が見えた。
わ....あんな感じなんだ....
「あ、あそこですか....もうすぐですね、」
「おう。あそこは色んな種類のスポーツ用品を扱ってるからな。バレー関連のものだけじゃなく色々あるから他に見たいのがあったら言ってくれ。」
「わかりました。ありがとうございます」
そしてその後も歩き続け、建物の入口のところまで来た。
「よし、まずはバレーのところからでいいんだよな?」
「はい、むしろ、そこをメインにみたいです....」
「あぁ、わかった。」
先輩は中の構造に詳しいようで、地図や案内を見ずに、すたすたと進んでいく。
真もそうだったけど出かけるのに慣れてるなぁ....すごい....
....ていうか真に連絡するの忘れてた。
やば....メッセージいれとかないと....でも移動中に携帯いじるのもなんかな....あ、そうだ....お手洗いにいきたいっていえばいいかも....
「せ、先輩....すみません....」
「おう?どうした?」
「あの....お手洗い行ってきてもいいですか....?すみません....」
「あぁ、いいぞ、行ってこいよ。あそこ曲がったとこがトイレだからこの辺で待ってるよ。」
「はい。お願いします....じゃあ行ってきます....」
よかった、ついてくるわけでは無さそうだ...
そして足早に先輩から離れ、トイレに入る。
うわ....最近のトイレってこんな綺麗なんだ....個室は....えっと....あっち....?
男子トイレ自体が広くて慣れていないから戸惑ってしまう。
そしてほとんど空いていた個室の一室にはいり、そのまま腰を下ろし一息をつく。
ふぅ....少し休憩だ。
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