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だが、砂山が十センチ位の高さになっても、枝はいっこうに倒れてくれない
どうやら、枝の長さが長すぎたのかもしれない
ようやく、枝が傾き始めたと思ったら、遠くの方から午後五時のサイレンが聞こえた
それが合図だったかのように公園入口の方から、
女の人の声が聞こえた
それは青色のTシャツの男の子の母親だったらしく、視線をやると買い物袋を片手にぶら下げ、袋の先からは白くて、長そうな深葱がにょきっとはみ出ていた
「───────、帰るわよ」
男の子は呼ばれると砂場から立ち上がり、駆け足で母親の空いた手をつかみ、公園の外へ去って行った
残された男の子二人は勝負着かずで終わってしまった小さな砂山を残念そうに眺めた後、二人がかりで黙々と崩していった
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