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病室にはあっという間に到着した
和田がドアをノックし中に入る
それに続いて、姫宮も病室に一歩足を踏み入れた
侑舞はまだ眠っており、和田は点滴などの確認だけするとすぐに病室を後にした
姫宮は、他に仕事を与えられているわけでもなかったので、そのまま残ることにした
残ったはいいが、やることがあるわけでもない
窓の近くに行き、ボーっと窓の外の景色を眺めていた
平和だな……
科が違うだけでこんなに変わるものなのか
しばらくそのまま外を見ていると、ゴソゴソと動く音がした
ようやく起きたかと思い、ベッドの方を見た
するとベッドの上には、まるで幽霊でも見たかのような顔をした侑舞の姿があった
そんな侑舞を見て思わず笑いがこぼれてしまった
だって怒鳴られるのは覚悟してたが、まるで幻覚を見たかのような反応をするとは思わないでしょ?
「久しぶり。あんたさー、久しぶりの再会なのに最初に見
る顔がそれってどうなの?(笑)」
「え? まって。嘘だ……。なんでいるの? 夢???」
そう言って侑舞は目を擦っていた
「ちょっとちょっと~、その反応は酷くない? 本物に決
まってるでしょう?」
「ほんとに姫ちゃん先生なの!!?」
「だからそうだって言ってるじゃない(笑)」
すると侑舞は突然涙を流した
それにはさすがの姫宮もぎょっとした
「え!? なんで泣くのよ! 泣くことはないでしょう
よ!」
「だって、だって……。姫ちゃん先生、突然何も言わずに
いなくなっちゃったから」
それを言われると謝ることしかできない
「あーーー。それに関しては悪かったって。スキルアップ
のために、アメリカに行ってたのよ」
「アメリカ?」
「そーアメリカ。ついでに、いい機会だからあんたに他の
医者と信頼関係築いてもらおうと思ったんだけど、ダメ
だったみたいね」
「……だってみんな嘘くさかったんだもん。しょうがない
じゃん」
おい、嘘くさいって言われてんぞ
何をしたんだあいつらは
患者に信頼してもらえてないなんて大問題だろ
「はいはい。で、今日からまた私が侑舞くんのカウンセリ
ングの担当になったから」
「え? カウンセリング? 別にやらなくていいんだけど」
侑舞のその言葉を姫宮はすぐに却下した
「あんた私がいない間に何したんだっけ~????」
「私がいなかったとはいえ? 約束破ったのにまさかその
こと忘れたなんて言わないわよね? しかもまだ1週間く
らいしか経ってないのに、まさかね?」
「……すいませんでした」
「まぁ生きてて良かったわ。それだけが救いよ」
そう言って俯いた侑舞の頭をなでた
おそらく今回も投げやりになったのだろう
前回は全く分かってなかったが、今回は反省しているようなので成長はしている
だが、その反省も生きているからできるのだ
どうかそのことを忘れないでくれたらいいなと心の中で願った
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