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湊side
侑舞が退院して話し合いをした翌日
湊はいつもより早く起きて朝食の準備や大学に行く準備をしていた
侑舞と顔を合わせるのは気まずくて、いい策とは言えないが侑舞が起きる前に家を出ることにしたのだ
今日はバイトもあるので、とりあえず1日を通してほとんど顔を合わせることなく過ごすことができる
別に侑舞のことが嫌いになったとかいうことではない
自分の可愛い、たった1人の弟であることには変わりない
でも1日でもいいから1人でこれからのことをじっくり考える時間が欲しかったのだ
ぐちゃぐちゃな心の中を整理したかった
今の自分の状態では、また侑舞を傷つけてしまうかもしれない
それが嫌だった
大学に行けば先輩もいるし碧海もいるから、相談に乗ってもらえる
甘えかもしれないが今は2人に縋ることしかできない
湊は朝食の準備を終えると、侑舞にメモだけ残して家を出た
時間に余裕があるので大学までの道をのんびりと歩いた
すると誰かに肩を叩かれた
後ろを振り返ると、そこにいたのは久我野先輩だった
「おはよう湊。随分と早いね。今日は1限から?」
「久我野先輩おはようございます。1限からではないんで
すけど早く来ちゃいました」
「そーか。ま、俺も同じなんだけどね(笑)」
「え? そうなんですか?」
「そうなんだよ。なぜか目が覚めちゃってさ! 起きたの
は良いんだけどやることないし、じゃあ大学行くか~っ
て感じ」
「あー、なんか分かります。一回起きちゃうと寝れもしな
いし暇なんですよね。どうせ大学あるなら行っちゃおう
って俺もなります」
「お! 分かってくれる?」
「はい(笑)」
そんなたわいない話をしながら大学までの道を2人並んで歩いた
大学に着き、湊は先輩といったん別れて図書館にでも行こうと思い、そう伝えると先輩に引き留められた
「どうせ2人とも時間あるんだから一緒にお喋りしていよ
うよ。な?」
そう言う先輩に、特に断る理由もないし、もともと相談はしようと思っていたので「いいですよ」と言うと、大学内にある噴水へと移動した
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