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侑舞は1人部屋の中で溜息を吐いていた
話し合いをしてから約1週間が経とうとしているが、状況は全く変わっていない
相変わらず2人はほんとんどすれ違った生活を送っていた
もう一度話しをしたい侑舞は何度も兄に声はかけているものの、何かと理由をつけられて結局話せずじまいだった
今日は9時半からカウンセリングを受けて、お昼ごろから多賀さんと食事に行く予定だ
実は話し合いをしてから数日後に、多賀さんから食事のお誘いの連絡がきたのだ
もっと後の話だと思っていたし、兄とのこともあり少し悩んだが、むしろいい気分転換になるのでは? と思い了承した
いつまでもウジウジしていたって仕方がない
何もしなきゃ事態が好転することはないんだ
とりあえず気持ちを前向きにしたい
とにかくカウンセリングに行かなければならないので準備をはじめた
カウンセリングの後にそのまま食事に行くので、数少ない服の中から良さそうなのをチョイスした
誰かと食事に行くことが随分と久しぶりのことで緊張していた
忘れ物がないかを確認すると家を出た
病院に着き受付に話をすると、すぐに姫宮先生につないでくれた
先生がいない間は、誰が担当か決まっていたわけじゃなかったので受付に言っても話が通らず大変だった
受付の人が教えてくれた部屋へと行くと先生が椅子に座って待っていた
「おはよ~。退院してから体調はどう?」
「おはようございます。体調は良いですよ。熱も全く出て
ないですし元気です」
「それはよかった」
姫宮先生は体調を確認すると、扉の前で突っ立ったまま俺に椅子に座るように声をかけてきた
それに従い、椅子に腰かけた
「さてと、始めますか!」
「はい。お願いします」
「それじゃあ、さっそくだけど話し合いはどうだった??
うまくいった?」
思っていた通り、話し合いの件を聞かれ侑舞は思わず苦笑を溢した
隠すことは不可能だし何の得にもならないので、正直にすべて話すことにした
「えーっと実は…………」
侑舞はあの日のことを語りだした
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