アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
110
-
「ごめん!お冷とおしぼり忘れてた~」
岸さんがパタパタと走り寄ってきた
お冷とおしぼりを置くと慌ただしく厨房に戻り今度はスープを持ってきた
「お待たせしました。今日のスープはミネストローネで
す! 付け合わせのサラダも今お持ちします」
その後も他にお客さんがいないこともあってか、とんとん拍子で次々に料理が出てきた
今日も変わらず美味しい料理に思わず顔が綻んだ
兄さんや久我野さんは随分と来てなかったようで懐かしむように料理を食べていた
もぐもぐと無心で食べ進めていたら、一口ちょうだいと兄さんに声を掛けられた
口の中に詰め込みすぎて喋れないので返事をする代わりにお皿を兄さんの方にずらした
兄さんはありがとうと言うと俺のオムライスを一口頬張った
すると「うわ……卵とろっとろだ。めちゃくちゃ美味しい」と感動していた
俺は兄さんの言葉に「やばいよね。俺今まで食べてきた中で一番おいしいオムライスだよ」と同調した
2人でなぜか手を握って頷きあっていると多賀さんが話に加わってきた
「そんなに美味しいの? オムライスは俺も食べたことな
いんだよなぁ~」
そう言った多賀さんに『多賀さんも一口食べますか?』と聞くと『せっかくだから貰おうかな』と返ってきたので兄さんからお皿を受け取り多賀さんの方にずらそうとしたら、多賀さんが俺の方を向いて口を開いた
多賀さんのまさかの行動に俺は動揺を隠しきれなかった
これってあれですよね?
食べさせてってことですよね?
恋人同士がよくやるあれですよね!?
動揺する俺をよそに多賀さんは『くれるんじゃないの?』と言ってニコニコした顔でこちらを見ていた
兄さんも久我野さんだっているのに!!! と思っていたら偶然なのか気を使ったのか分からないがトイレに行ってくると2人が席を離れた
完全に2人が見えなくなったことを確認すると、侑舞は今しかないと思い意を決して、オムライスを一口分スプーンにとって碧海の口元に運んだ
多賀さんはオムライスを口に含み飲み込むと「確かにすごく美味しいね。ありがとう」と微笑んだ
そして今度は多賀さんが自分のナポリタンを俺に食べさせた
その時に口についたケチャップを指で拭われた
思いがけない行動に顔を真っ赤にしたら
「顔真っ赤」と笑われた
その笑顔に思わずキュンとしたのは自分だけの秘密だ
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
114 / 159