アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5
-
「悪い、遅れた――」
「わっ!」
突然勢いよく開けられた扉が開いたかと思えば、入ってきたのは稲見先生。
視線が合うと先生は目を見開き驚いた顔をした。
「…どうした。何があった?」
そう言いながら、うずくまった俺の背中を擦りながら優しく撫でてくれる。
その間も俺は涙が止まらずに泣きじゃくって、まるで幼い子供のようだった。
ズズっと鼻をすすると俺は声を上げる。
「…となりっ、隣の教室からっ」
「隣?」
言いたいことが上手く言えず、震える手で壁を指さした。
隣の二人には悪いけど、これはさすがに黙ってはいられない。
俺は間違いなく被害者だ。
「――なるほどな」
俺の言うことを理解したのか、ぽつりと呟いた先生は壁に近づく。
そしてドンッと鈍い音を立てながら思いっきり拳を壁に突きつけた。
その音に驚いた俺の目からは涙なんてひっこんでいった。
「誰だか知らないが、ここが学校なこと忘れんなよ」
聞きなれない稲見先生の低い声に再び驚く。
それから数秒後、パタパタと教室から去っていくような音が聞こえた。
よ、良かった。
先生のおかげで助かった。
「稲見先生…?ありがとうございました…」
一応怒っている様子の手前、そっとお礼を言う。
先生もこんな顔するんだなぁ。
大人っぽくてなんだかすごくかっこ良く見える。
はぁ、と先生はため息をつくと、俺の隣に座った。
「お前こんなことで泣くとか…ガキか」
「あいでっ」
ピンッとおでこを弾かれた。
地味に痛い。
俺だって別に泣きたくて泣いている訳では無い。
幼い頃から勝手に涙が出てしまうんだ。
「ち、違うんです!俺こういうの慣れてなくて、ちょっと焦っちゃって、それで……ぎゃっ!」
「こんなになったの?」
「な、なんで触るんですかっ。離してください!」
形を確かめるように掴まれた俺のもの。
涙は止まっても一度興奮したそれは元に戻っていなかったようで、しっかり反応したままだ。
恥ずかしくて、先生の腕を掴んで退かそうとしても全く動かない。
何を考えているだ、と顔を上げると先生は綺麗な顔でにこりと笑っていた。
何故だろう、嫌な予感がする。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 67