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翌朝。
目を覚ますと俺は亜太にがっつり抱き着いたまま寝ていた。
抱き枕がないと寝れないと思っていたが、亜太のおかげでぐっすり寝ることができたみたいだ。
起きたばかりだと言うのに、今から遊び倒したいと思うくらいには元気だ。
亜太の腕からするりと抜け出し、スマホで時間を確認する。
俺がいつも起きる時間と変わらないが、朝食までまだ時間はある。
することは特にないけれど、目が覚めてしまったら二度寝なんてできない体だ。
顔を洗って探検でもしようかな。
洗面台に行こうとタオルを持って部屋の外に出ると、ぐいっと背伸びをした。
その時腰が悲鳴を上げたのは言うまでもない。
「あら、穂中くんおはよう。早いのね」
「斉藤先生、おはようございますっ」
普段髪を下ろしている姿とは違い後ろでお団子を作っている。
いつも通り可愛いけれど、何だか眠そうな顔をしている。
すると、先生はふぁ、と小さく欠伸を漏らして慌てて口を抑えた。
「先生、寝てないんですか…?」
「それが昨日夜中に女子部屋に行った子がいてね…それを対処してたら結局時間なくなっちゃって眠って、今からお風呂行くとこなの」
「お、お疲れ様です…」
「だらしない姿見せてごめんね?じゃあまた後で…」
ひらひらと手を振りながら廊下を歩く先生の背中は何だか小さく感じた。
先生も大変なんだなぁ、なるべくいい子にしていよう。
でも昨日の事件はノーカウントだ。
斉藤先生と別れてトイレ付近にある洗面台へ向かう。
壁になっている所からひょこっと顔を出すと、そこには既に先客がいた。
「ん、早起きだなお前」
「……?あ、稲見先生っ!?」
髪をかきあげた男前の人がいると思ったけれど、よく見たら稲見先生だ。
顔を洗っていたのか、少し濡れた姿が何だかやらしい。
水も滴るいい男とは多分このことだ。
じっと先生の顔を見つめていると、にこっと微笑まれる。
不意打ちに思わずぐっと胸がドキリと音を立てた。
「なーに顔赤くしてんの」
「あ、赤くないっ」
「顔すごい熱いけど?」
そう言って俺の頬にひたりと手を添えられる。
否定はしてみたけれど、言われた通り赤くなっているのか先生の手が冷たくて気持ちいい。
思わずその手に頬を擦り寄せると、先生は一瞬目を見開いて俺の頬をムギュッと掴んだ。
「その顔禁止。早く顔洗って」
「は、はひっ」
急に声のトーンが下がった先生に慌てて洗面台の蛇口を捻る。
出てきた冷たい水に触れると顔に押し付けた。
俺、なんか怒らせた…?
その顔って言われても至って普通の顔なんだけど。
えっまさか、遠回しに貶されたのかな。
顔をバシャバシャと洗い、持ってきたタオルで拭き取ると一気に爽快感が増す。
よく分からないが機嫌が良くなった先生によしよしと頭を撫でられ、口元が綻んだ。
「こんな時間に起きたってことは、何かするつもり?」
「えっ?いや、ただ目が覚めただけですけど…」
先生は腕時計を確認すると、俺の腕を取る。
にこりと微笑み、俺を引き連れてどこかへ歩き出した。
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