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先月の部署内での飲み会。
今日こそは二次会に行こうと、女子社員達が優惺に群がっている。
いつもは必ず隣に優惺が座っていて、お酒の飲めない僕をフォローしてくれていた。
でもこの日は、仕事で遅れて来たせいか離れた場所に座らされ、周りに集まった女子社員に完全に捕まっている。
僕は上司に注がれた酒を拒む訳にもいかず、ちびちびと飲んでいた。
(流石に、今日はヤバイかも…。)
殆ど飲んだことのない酒がまわり、視界がボヤけ始め、店を出る頃にはフラついて真っ直ぐに立つことも難しかった。
「花麗!! タクシー呼んだから帰ろう!」
人波を掻き分けてどうにか辿り着いた優惺も、すぐに腕を引かれて女性達に飲み込まれ、次の店へと連れていかれた。
(…どうしよう。)
「なんだ、綾瀬! たいして飲んでないのにもう酔っぱらったのか?! 少しくらい酒が飲めないと取引先と上手くやっていけないぞ?!」
上機嫌な年配の上司に強く背中を叩かれる。
「うっ…、す、すいません…。」
(ヤバい、出そう…!)
「部長、綾瀬は本当にお酒飲めないんですから。無理強いするとパワハラで訴えられますよ?」
クスクス笑いながら部長との間に入ってくれたのが、西岡だった。
「僕も体調優れないので、今日はこれで失礼します。」
「なんだ、珍しい。」
着いたタクシーに西岡と乗り込む。
「綾瀬、住所言える?」
「うんーー。」
酔いと吐き気が体の中をぐるぐるして、意識が遠退いていきそうだ。
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