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僕のチームは3年生、1年生、2年の僕と言う順番だった。
3年の先輩が2位で渡したバトンが僕のところに来る頃には5位になっていた。
どんなに僕の足が速くてもこれは無理だ。キツイ。
だけど、目標が高ければ高いほど、高みを目指すものだと思う。
必死に走る。後ろは気にしない。ただ前を見る。前の背中を捉える。並ぶ。そして、前にはまた別の背中がある。そしてその背中を追いかける。
苦しくなってきた。もう足を動かしたくない。もう走れない。だけどまだたどり着いていない。
苦しい、苦しい、息が苦しい。
それでも足を動かして進む。そしてゴールを超えた。
ゴールを超えて転がる。
400メートルを全力で走り終えるととてもじゃないけど立っていられない。地面に転がって空を見上げて息をする。
まだまだ飛べる。まだまだ先がある。
ああ楽しい。
結果は3位だった。
それでも僕は満足だ。全力で走って、全力で頑張った結果がこれだった。次はきっともっと速く、まだ進む目標があるって言うのはすごく楽しい。
400メートルリレーの後は1000メートル走があった。
ちなみにこれにも出たかったけど、順番的に無理だった。
1000メートルの後に400メートルのアンカーはまだ出来ても、逆は無理だ。どうやっても僕の肺が回復しない。
出たかったはずの1000メートル走を眺めて、昼休憩に入った。
「海くん、直樹。ご飯よかったら父さんたちと食べない?お弁当いっぱい作るって母さん張り切ってたから」
「おばさん、運動会とか重箱持ってくるもんな」
「そうそう。今日は重箱にデザート箱まで用意してたよ」
「俺もいーの?」
「もちろん。母さんに海くんの好きなものなに?って聞かれたもん」
そんな話をしながら父さんと母さんのところに行くと、2人はレジャーシートを広げて重箱を広げてくれていた。
重箱には卵焼きや焼き魚、マリネ、牛蒡巻きなど我が家では定番のお弁当のおかず。そして、酢豚に焼売、お魚の甘酢餡かけなど中華っぽいもの入っていた。
デザート箱はりんごゼリーとフルーツが入っていた。
後は、食べやすいサイズに握られたおにぎりがたくさん。
海くんはボリュームにびっくりしてたけど、運動をした後の僕はよく食べる。普段でも海くんの倍近く食べてると思うけど、たぶん今なら海くんの4倍くらい食べると思う。
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