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31.
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「海くんが見たいのものを、見たかった。あんな過激な……」
思い出すだけでも怖い。皮が剥げた人のようなものだったり、すごい形相で追いかけてくる何か。それ以上は語るのも僕には無理だ。
「そんなんでよく叫ばなかったな」
「叫んだら見つかるもん」
「画面から出て来ねーよ」
「僕の夢には出てくるもん」
無理だ、今夜寝れる気がしない。
海くんはケロリとしてる。1人で見るのは嫌だとか言いつつ問題なさそうじゃないか。僕は大ダメージで椅子から立つのにも苦労した。今だって外に出てすぐの椅子から動けない。
「海くん、僕しばらく動けないと思うから先に帰って大丈夫だよ」
「流石に置いてけねーよ。しばらく付き合ってやるよ」
海くんは僕の隣に腰掛けた。本当だったらここで映画の感想とかを言い合うのかもしれないけど、僕にはできそうにない。海くんが立ち上がるまで、僕はダメージの修復に努めた。
「立てるか?」
「なんとか」
「まじビビった。苦手なもんは言えよな」
「う、ごめん」
「いーけど」
ようやく動き始めた僕の足。
2人してきた道を戻り、駅で解散する。
海くんがどこかに寄りたくなったら喜んで付き合ったんだけどなあ。
映画の内容は置いておくとして、とっても楽しかった。
こうして映画を見に行ったりする友達になれたことが嬉しい。
次に機会があれば、その時は僕も見れる映画にして、帰りに感想でも言い合って帰れたらいいなあと思った。
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