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その後も買い食いを繰り返しながら、途中迷路に挑戦したりしたりして楽しんだ。
手持ち無沙汰になった頃、空き教室に入った。
海くんが黒板に落書きをする。なにを書いてるんだろう。
「なんに見える?」
「うーん。兎耳のゴリラ?」
「猫のつもりなんだけどな」
海くん、少なくとも猫は二足歩行じゃないと思う。どう見ても二足で立ってるよ。やたら体がむきむきな猫さんだ。
唯斗も描けよ、と言われて僕もチョークを持つ。
僕も絵心がないので、なかなかにひどい僕の猫が隣に並ぶ。
「それ、首長すぎねぇ?」
「猫のつもりなんだけどなあ」
「人のこと言えねーな。強いて言うならキリン」
笑いながら2人で色々な落書きをした。
2人して笑っていた。
うまい、下手じゃなくてただ楽しかった。
書いた自分でさえなんだったのかわからなくなるヘンテコな絵だった。だけど、なんとなく消したくなくて、ヘンテコな絵に見送られながら空き教室を後にした。
文化祭1日目、うちのクラスはどうやら黒字だったらしい。全く貢献してない僕に実感はないけど。
そういえば自分のクラスは回らなかったな。海くんはホールに出ないと言ってたけど、午前の間にゆっくり見ておけばよかったと、少し後悔した。
明日は一般公開もあるからきっと忙しいだろうけど、父さんと母さんが来てくれるし、とても楽しくなる、そんな気がした。
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