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悪い子 5
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rt side
再び目が覚めた時、腰の痛みは、歩けるくらいには引いていた。
幸いまだ電車はある時刻。ゆっくりなら歩いて帰れそうや。
アイツは…どないすればええんやろ。
痛みが収まってきたこともあり、俺はもうキヨくんに怒ってはいなかった。
許すってこと、どうやったらちゃんと伝わるんかな。今のキヨくんは、昔の人見知りだった俺にも負けないような分厚い壁の中に閉じ籠っている。
キヨくんを見ると、俺には気づいていないのか、今にも泣きそうな顔をしている。
……ほんとはいい奴なんよ、コイツも。いつも優しいし、意外とちゃんとしたところもあるし、棘も毒もある俺のことだって嫌わずにずっと一緒にやってきてくれた。
そうや。今日一日くらいで、俺はコイツを嫌いになんてなれへん。
そんな単純なことに、やっと気づいたんや。
俺はひっどい顔のキヨくんに近づき、声を掛ける。
「なぁ…キヨくん」
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