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もう離れられなくて#1
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奏楽さんと付き合い始めて、
もうすぐ1ヶ月が経とうとしている。
今日は良い肉の日(11/29)だから、コンビニで新発売の豚の生姜焼きおにぎりを2つも買ってしまった。
ちなみに朝ごはんは少し遠回りして立ち寄ったファストフード店で肉バンズに肉を挟んだそれはもう肉にまみれた月に一度しか発売しない特別なバーガーを食べた。800円くらいするやつ。
はぁ、なんて贅沢な僕。
ポケットの中で発熱したカイロを握りしめて少し急ぎ目に足を動かす。
12月を目前に控える早朝の冷たい風が、乱暴に僕の隣を走り抜けた。
ぶっちゃけ去年のこの時期はただの一度も学校に行っていない気がするけど
今年のこの幾分か真面目になった自分を少しくらい褒めてくれる人がいてもいいと思う。
それくらい寒いの苦手なんだよ。
まぁでもここは日本だから寒い季節が来るのは当たり前だし、
去年は今よりずっと学校が苦痛だったから仕方ないんだ。
実際に話す相手なんていないけれど、
頭の中では1人会話を繰り広げたりして。
そうこうしているうちに、そう遠くない道のりの中でも
ほんの少しだけ学校までの距離は短く感じる。
校舎が見えるまで、あっという間だった。
昇降口からまっすぐ廊下を抜ければ、
その先にはこの時間でも暖房のしっかり効いた快適な保健室がある。
でも、今日はまだあたたまっていないであろう自分のクラスを目指して歩いた。
本来、学生であれば当たり前の道のり。
けれど僕にとっては、
少し緊張して、すごく違和感のある道のり。
端的に言おう。
今日の僕は、とてもそわそわしている。
教室に入れば、数人のクラスメイトがちらちらと僕を見た。
控えめに挨拶してくる人や、
どうせ来ないであろうとスクールバッグを僕の机に放置していた人がそそくさと荷物を回収しているのを目にして思わず苦笑い。
なんだよ。
そんなに珍しいか、僕が教室にいるのが。
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