アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
12
-
いつもの学食。先輩は友達と一緒にいた。声をかけようか惑っていたら、先輩の友達が口を開いた。
「カケル君じゃん。友達に告白されたって本当?結構な噂になってるよ。
郁人。知ってた?」
せ……先輩に知られてしまった!
「…………知ってるよ。その場にいたから。」
「あそこに……いたの……?」
先輩の答えに呆然とする。
あの場にいたのに何も言ってくれなかった。止めるわけでも邪魔するわけでもなくて……
「厄介者がいなくなると思った……?先輩は最初から恋人いらないって言ってたもんね……」
目頭が熱くなる。
初めは抱いてもらえるだけで嬉しくて……
「先輩が……好き……だった。」
もう何回伝えたか分からない。一方的な『好き』。涙が堪えきれず零れ落ちた。
そう。俺はただのセフレ……
分かってたのに……
先輩は何も言わず、黙って俺を見てた。
引き際だ。一方的な『好き』は届かない。
「今までありがとう。先輩。もうやめる……
バイトもサークルも先輩の家にも行かない。」
背を向けて歩き出す。
「…………アイツと付き合うの?」
先輩の問いかけに答えなかった。
酷い人。俺に全然興味ないくせに期待させるような事言って……
「カケル。」
呼び止める声に本当は決心が揺らぎそうだった。
歩幅を広げて足早に食堂を出る。
…………もう振り向かない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 15