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「菫玲って呼んでいいよ」
「菫玲先輩?」
「ふふふ…桐哉どうしよう、自分で提案しといてなんだかくすぐったいんだけど」
「やめたほうがいいですか?」
嫌がっているようには見えないけど、もし嫌ならと思って聞くと、菫玲先輩は声を出して笑った。
「あははっ、菱沼くんって素直だよね」
「え?」
「大丈夫だよ。ちょっと照れるだけ」
ニコッと笑った菫玲先輩の頭を、ポンと自然な流れで古瀬先輩が撫でた。
「かわいい後輩ができて良かったな」
「うんっ。二人とはもっと仲良くなりたいな!ってことで今日も一緒にご飯食べない?」
「いいんですか?」
「もちろん!いいよねっ、桐哉?」
古瀬先輩は愛おしそうに目を細めて菫玲先輩を見て頷いた。
「僕、部活に入ってないから関わる後輩って寮の子たちだけなんだよね」
菫玲先輩と古瀬先輩が隣同士で、菫玲先輩の正面に俺、隣に紅輝の並びで席に着いた。
「部活入ってないんですか?」
「うん。二人は?部活決めてるの?」
「俺は陸上部に入ろうと思ってます」
「陸上部かぁ…!菱沼くんは?」
「あ、俺はまだ入るか悩んでて…」
「どこに入るか悩んでるのか?それとも入るかどうかを悩んでるのか?」
古瀬先輩が俺に問いかける。
「入るかどうか悩んでます。運動は続けたいとは思うんですけど、何を始めたとしても初心者だし…」
「中学では何部に入ってたんだ?」
「弓道部です」
「へぇ!弓道部!かっこいいね!」
「ですよね!俺も思いました!」
菫玲先輩と紅輝が乗ってきた。
「あぁ〜そっか、ウチの学校、弓道部はないもんね」
「続ける気はなかったのか?」
「そ、うですね…そこまで考えてなかったというか…」
「アホなのか?」
「ちょっと桐哉!」
「あ、悪い」
「いえ、全然!あったら入ろうかな、くらいにしか思ってなかったので…」
「動き回る系の運動苦手そうだよね、灰凌」
紅輝が笑いながら言った。
俺、馬鹿にされてる?
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