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架空線9
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まるで十代の娘のような大人げない態度が、我ながら情けない。以前なら声を荒げ彼に手を上げていたのだろう…。無様すぎていっそこのままソファに吸い込まれて消えてしまいたい。
なぁ…失言ってのは、「まだ使える」て?
彼の声がすぐ近くで聞こえる。隣に立っているのだろう。
「それ以外無いだろ」とソファへ愚痴り、手で彼を払った。触れた彼の足は、まだズボンを履いていない様子だ。
なぁって。こっち 向けって。
相変わらず高いところから降る声に、俺は黙って顔だけ横に向けた。
昔より薄くなった脛毛と 一回り細くなった太股が目に入った。色黒だと思っていた彼の脚は白く、俺は内心驚きそのままゆっくりと彼を見上げた。
すっかり萎んだ雄が、情けなくこちらを向いていた。
お前、勘違いしてる。
差し出された彼の手で半身を起こし、顎でしゃくられ空けさせられたスペースに彼は腰を落とした。
続く言葉を待てども、彼の声は一向に聞こえてこない。
下半身丸出しの滑稽な姿の彼と 顔を上げられない情けない自分とが、しばらく黙って座っていた。
白い太ももの間の縮こまった彼自身が、記憶の中のソレと合致しない。
その視線に気付いたのかどうか、彼はわずかに腰をひいた。
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