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* Sweet.2 *
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「もう、分かったから! 謝るから! ごめんって。茅野」
「……夕里は自覚ないかもしれないけど、他のやつと距離近すぎ」
「茅野の体操服着てモテポイント奪おうとしてましたっ。ごめんなさいいぃ」
見当違いな夕里の告白に、茅野は「え?」と聞き返す。
てっきりまた弱味を握られて、それを盾に意地悪されると思っていたのに。
予想外の反応に夕里も全く同じ言葉を返した。
「……モテポイント?」
「……いや。何でもないんで忘れてください……」
──どうせ、イケメンの持ち物を身につけたくらいで、女子からの好感度が上がると勘違いしてる残念なやつだよ!
匂いを嗅いだりとか、さすがに発想が気持ち悪いな、と我に返ってから思う。
ルックスも人当たりも完璧な茅野に、自分は僻んでちょっかいをかけている。
外面だけだったらそうやってからかうだけで楽しいのに。
まだ高校生なのに家の手伝いをして、弟や妹の面倒を見ていて。
自分はといえば、1年に1回の母の日にだって親孝行をしたこともないし、千里には疎ましく思われている。
──別に俺なんて、いてもいなくても変わらないしな。
茅野は俺と正反対で尊敬するどころか、羨ましくてむしろ憎たらしい……。
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