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* Sweet.3 *
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購買で1番人気のメロンパンは、中に生クリームがたっぷりと入っていて恐ろしいカロリーになっている。
友達同士で分け合うのが前提の特大サイズを、夕里は昼休み中に全てたいらげてしまうのだ。
「ゆうちゃんは毎日菓子パンローテーションしてるもんね。昨日はチョココロネで、一昨日はラスクだっけ」
「はあ……聞いてるだけで胃もたれしそう」
菓子パンのローテーションを偏食じゃない、と言い張る夕里に、茅野はげんなりして溜め息をついた。
クリームだけでなく生地にもたっぷりと練り込まれた砂糖に、人工的につくられた甘味料に夕里はすっかり依存している。
「菓子パンより、俺の持ってきたお弁当食べなよ」
「いらない。今日はメロンパンの気分だし」
茅野の隙をついてメロンパンを取り返そうとするも、わずかな差で見破られてしまい、ひょいといとも簡単に夕里より高い位置に上げられてしまう。
にやりと笑う茅野に、メロンパンの気分を台無しにされた。
「夕里の好きなさつまいもの甘露煮、中に入ってるよ」
「う……」
夕里の大好物の食べものの名前を出されると、夕里はぴたりと制止する。
形が崩れない程度に甘辛く煮たさつまいもは、ちょっぴりレモンの果汁が利いていて癖になる味だ。
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