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* Sweet.3 *
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払おうと振り上げた手はあっさりかわされてしまい、夕里は悔しそうに歯噛みする。
ミーハーでわりと奇抜な格好をしている夕里は、声をかける人を選ぶらしく今のクラスでは寺沢より仲のいい友達はいなくて。
弄られははするけれど、主導権を握っているのは夕里のほうだ。
──だから、いきなりじゃれつかれたら調子狂うんだってば。
撫でられたら尻尾振ってもっとって頭擦りつけるようなキャラでもないだろ、俺。
茅野は俺のどんなリアクションを期待しているのか知らないけれど。
「……犬扱いされんの、むかつく」
「犬? どこから犬が出てきたの。ちゃんと褒めてあげてるでしょ。食べられて偉いね、って」
「食べただけで褒めるとか、意味分かんない」
嫌いなものを頑張って食べたりしたら、そうやって褒められるのが当たり前なのだろうか。
夕里の母親はいつも出来合いのものを買ってくるか、あるいは夕里と千里に何日分かのご飯代を渡すだけで、そういえば何を食べたかまでは気にしていない。
茅野の持ってきたお弁当は完食には至らず、夕里がまだ手をつけていないおかずもあった。
昼休憩もそろそろ終わりそうで、周りはもうお弁当を片付け始めている人のほうが多い。
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