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夜に惑う
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夢に出るんじゃ庭妻
あおい瞳(め)
白い肌
金の髪
食ろうてしまえばよかったんじゃ。
リリースする必要はなかった。
実は儂
千葉まで行ったんじゃ
ガッコーのそばの山走っとると自転車雑誌にあったけえ
金の髪目立って
すぐ見つけて
よこざまにかっさらって、立木の間に押し倒した。
やったんか
いや。
金の髪の隙間から覗くあおい眼に射られると
儂は
どうにもならんじゃった。
その上、下級生が捜しに来た。
長身の。
気むずかしげな。
青八木さん!
青八木さん!ゆうて。
放すと、
逃げるでなく、
ふつうに歩って出て行きよって、
大丈夫だ今泉。
落車しただけだ。
そのまま行ってしもた。
振り向きもせず。
優策…
あれは手に取れん。
海面に映った月じゃ。
眺めることはできても、誰も手には取れん。
けど儂、そのとき思たんじゃ。
探しに来た長身の下級生。
あいつは…あるいは…とな。
あのときのキャプテンでなく、か?
そうじゃ。
あれは終わっとった。
一つの時間の終わりじゃ。
そして…
儂の時間も終わったわ。
儂はロード降りる。
海に戻るわ。
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