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謎。
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今日も俺のクラスは随分賑やかだ。
昨日のテレビの話題とか今話題のドラマの話とかゲームでいいキャラが出たとか。
俺は特に何もすることなくイヤフォンを片耳に突っ込んでクラスメイトのくだらない話を聞いている。
(へぇー、あのゲームもうすぐ発売されるのか。発売日にいつものとこに買いに行かないとな。)
なんて1人で考えながら机の上に落書きを始めた。
お、なかなか上手く描けた、なんて静かに喜んでいると
目の前にはお馴染みのド派手な金髪があった。
「おはよう、佐澤くん。」
にっこりと微笑むと、おう。と短く返事をして俺の前の席にどっかり座った。
あれ以来俺と彼との関係はガラッと変わった。
律儀に毎日放課後屋上に来てくれるし、俺とお昼を食べるようになったし、周りに人がいなければずいぶん喋るようにもなった。
この前なんて放課後遊びにいったりもした。
数ヶ月前の俺が見ると多分失神するだろうな。
普通の友達。
始まりは突然だったけど彼とはいい関係を築けている。
(あ、右耳、ピアスが1つ増えてる。また開けたのか。)
昔は分からなかった彼の変化にも気付けるようになった。
がらがらと扉が開く音がして先生が入ってきた。
「授業を始めるぞー。号令。」
1時間目は世界史。
名前は伊藤。中年男性特有のぽっちゃりした体にぴっちりしたグレーのスーツを着ていて、丸メガネをかけている。
生徒から、特に女子生徒からはよく思われていない。
理由は変態そうだから、だそうだ。
「おい、佐澤。その髪を何度黒に染めろと言ったら分かるんだ。」
伊藤先生は何故か佐澤くんを目の敵にする。
久しぶりに授業に出てもノートも筆記用具も出さない佐澤くんに呆れているのだろうか。
だが佐澤くんは何も言わない。チッと舌打ちをするだけだった。
(なんか、変な2人。)
「…(クソがっ。)」
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