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「だ、ダンス?!」
「はい。国王陛下からお誘いがございました。本日届きましたドレスで、夕食前にとのことです。」
エリックから突然、ダンスのお誘いがあった。
ディランが、前よりも距離を縮めてくれているのか、よくディランを通して色々な指示が入ってくるようになった。
それは嬉しいのだけど、今回みたいな時は困る。
カイに相談した方がいいのかな。
でも、ダンスのお誘い自体は、エリックからカイに言ってるはずだし。
「ルナ様?」
「は、はい!」
「大丈夫ですか?お体優れないとか?ルナ様はご自分が思ってらっしゃるよりも体が弱いのですからね。無理はしないように。」
「はい、えっと、体は全く問題ないです。ほんとに、少しも。」
「では、何か悩み事でも?」
ディランに、相談してみようか。
「ダンス……もう、ずっとやってなくて、できる自信がないんです。」
「……はぁ、そんなことなら心配はいらないと思いますよ。国王陛下はダンスが上手いですし。」
確かに、ダンス初心者の俺にもエリックは優しく教えてくれたし、すごく上手かった。
それは最初のダンスで知ってる。
でも今は、その時とは少し違うし。
「ルナ様、ダンスが苦手、なのですか。」
考え込むような表情で、ディランがそう言う。
「はい……」
人魚のときは関係なかったし、ここに来てからもそんなに何回も踊ったわけじゃない。
「……ダンス、苦手……」
呟くように繰り返し、ぼーっと考え込んだままのディラン。
どうしたんだろう。
「……失礼しました。今からご準備でよろしいですか?」
「は、はい!」
返事をすると部屋の外からメイドたちがさっきのドレスと、おじいさんがプレゼントだ、とくれた靴を持ってきてくれた。
ドレスは細身のラインで、淡いブルー。
露出は少なめで、デザインもシンプル。
エリックらしいデザインだった。
靴はガラスみたいに透き通ってキラキラした、不思議な靴だった。
「お着替えはメイドに手伝わせます。済みましたら、私をお呼びください。」
「わかりました。」
メイドさんたちに手伝ってもらって、ドレスを着て、靴を履く。
「わぁ……アリエル様、ものすごくお似合いです!」
「……ふふ、ありがとう。」
「これならエリック様も思い出しますわ!」
今日手伝ってくれているメイドさんは、この前食堂にいた人たちで、俺がアリエルだということを既に思い出していた。
「ディランさんを呼びますね!」
「はい、お願いします。」
1人のメイドさんがディランを呼びに行く。
入ってきたディランは、固まった。
「……変?」
「……いえ、お似合いです。」
今日はなんだか、ディランの様子がおかしい。
時々考え込むように固まるし、俺をじっと見つめてきたりする。
なにか、変化があったのかも。
そうは思いつつも、準備はまだあるので、そちらに取り掛かった。
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