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殺風景な部屋
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階段を上がるとすぐ右側に僕の部屋はあった。
部屋に入り、既にまとめられている荷物を見る。
「よし、これで大丈夫だよね。」
ぐるりと部屋を見た後、一人頷く。
机の引き出しの中は空だし、いらないものは前に捨てたからーー。
ボストンバッグとリュック、キャリーバッグが横に並べられてある所に近づいて、
ボストンバッグの上に置かれている手紙を取った。
それは僕が受験した高校から届いたもので、学校について書かれているパンフレットやら
お知らせの紙やらが厚めの封筒に入っていて、その中にあった一つのものがその手紙だった。
手紙には、合格を祝福する内容が書かれていて、その下には合格したかどうか調べるためか、
数字とバーコードがあってその下に小さい文字で、ご入学いただくためにはこちらのバーコードが必要です。
バーコードの上にある数字は寮管理人の方にお見せすると部屋のカードをもらえます。と、記されていた。
パンフレットによると、寮の部屋は二人部屋で相手はくじ引きで決められるらしく、同学年とは限らないらしい。
…変な人じゃないといいけどーー。
チラリと部屋にある時計を見ると、少し時間が経っていた。
手紙をリュックの小さいポケットに入れて、背負い、ボストンバッグとキャリーバッグも持って、
部屋を出ようとして、後ろを振り返った。
もう自分の部屋ともお別れ。
そのことが何故か名残惜しく感じて、誰もいない殺風景な部屋に向かって
感謝の気持ちをつぶやいた後、前を向いて階段を降りた。
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