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紫赤
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『赤ちん。俺、赤ちんのこと好きだよ。』
「紫原…?そうか、俺も好きだよ。」
赤ちんは多分、俺の"好き"を、勘違いしてる。
まぁ、それはそれでもいいんだけどさ~。
俺のこれは友達の好きとは違う。
多分恋愛感情、なんじゃないかなぁ
『赤ちーん。お菓子ないー?』
「紫原、練習に集中しろ。」
こんな他愛もない会話に喜ぶ毎日を繰り返して過ごしてきた。
「少し灸を据えてやる。」
…ある日、俺は赤ちんを怒らせちゃった。
今の俺なら、あの赤ちんに勝てる。
確信に似た感情が湧いたとき。
「……あまり調子にのるなよ。」
全身の毛が逆立ったみたいな。そんな感じがした。
…赤ちん。なんで、こうなっちゃったんだろ
「敦」
その名前は俺が呼んでほしかった名前
特別な名前。
…でも、赤ちんはこの時から赤ちんじゃなくなってた。
『赤…ちん…?』
目がオッドアイになって。
片目が黄色く、怪しく光ってた。
こんなの…赤ちんじゃない…違う。
そう、思いたかった。
でないと今までの赤ちんを裏切ってしまうような気がしたから。
「敦。今日の反省は。」
『ん?、パス、出さなかったとか?』
赤ちんの言う事聞けなかったなぁ。
でもあんまりそのこと気にしてないみたい。
……あーあ。
…自分の気持ちに嘘をついてるの、本当は気付いてるけどさー。
赤ちん。
赤ちん赤ちん赤ちん赤ちん赤ちん。
好き。
ずっと、ずっと。
ねえ赤ちん。
きっと今の赤ちんの言う事ちゃんと聞いたら、昔みたいに、俺に優しく笑うんでしょ?
そんなことになったら、俺は今の赤ちんに気許しちゃいそうだから
前の赤ちんを忘れちゃいそうだから。
『どーでもいいし? つーか勝ったし。』
ごめんね。赤ちん。
多分俺どっちの赤ちんも好きなんだよね。
『赤ちん、好きだよ。』
「敦…?そうか、僕も好きだよ。」
ほら。やっぱり同じ反応。
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