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黒赤(ヤンデレ死ネタ)
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『大丈夫か?一旦、休憩を入れた方が』
少し心配をしたような、けれど機械的に言っているだけのような赤司くんの声が聞こえた。
「すいません、大丈夫、です。」
今、僕は赤司くんのバスケの特訓を受けている。
…そんなことをしなければいけないような僕がなぜ、帝光中学バスケ部一群にいるのか。これは誰もが抱く疑問。
いつかはそんなこと思われないぐらい……、流石一軍だと思われるような選手になりたいのですが。
「赤司く…?!」
ふら、と、赤司くんが揺らめいた。
はじめは僕がぶっ倒れるのかと錯覚しましたが、どうやらそうではないようで。
そして…。
そのまま、床に倒れこんだ。
『……っ、』
熱があるのか、なんだか顔が赤い。
「ふ……」
無意識に口元が緩んでしまい、ハッと手で覆った。
…赤司くんは知らない。
僕は…赤司くん、君が好きで好きで、仕方が無いんですよ。
赤司くんの首の後ろを力一杯に叩く。
くたり…と赤司くんの動きが止まるのを見て口角が上がる。
ちょっと勉強しておいてよかったです。
まさか本当に実践することがあるなんて思ってもいませんでしたが。
「まさか赤司くんのこんな姿をみることができるとは。」
そのまま、僕は赤司くんを部屋へと連れて行った。
部屋に連れてからしばらく。
…赤司くんはハッとしたように起き上がった。
まぁ、起き上がってもどうしようもない。
目隠しをされて、足を壁に紐で結びつけられているのだから。
ああ、赤司くんはやっぱりとても、可愛らしい。
僕は君のためにも、バスケを上手くならなければ。
だからー…
「君の実力を、僕に分けて下さい」
赤司くんは身体をピクリと動かした。
いつも大人しすぎるぐらいの僕が、こんなことをしているんだから、そりゃぁ、驚いて当たり前ですけど。
目を隠されていてもわかるほどに。
彼は怯えている。
彼が決して、周りに見せない顔。
僕にだけ、見せている顔だ。
「大好きです。赤司くん。」
ドスッ…ッ、と。
鈍い音が部屋に響く。
僕は赤司くんを殺す。刺し殺す。
そうすればきっと、君の実力は…
『なぁ、黒子、俺は、……お前にこんなことされて、今、別にいいかな、なんて……、思ってるんだ』
耳を疑った。
何を言ってるんでしょう、赤司くんは。
『テツヤが好き、だからかな』
何を言っているのか、全くわからなかった。
人に弱みを少しも見せず、
人からの好意を求める事なく、
他人を愛さないはずの君が、
何を言っているんだろう?
『まさか、こんなことになるとは……思ってなかったけれど』
赤、司くん?どうして…君は…
『お前が俺のこと、好いてくれたみたいで、嬉しいよ』
赤司く…
『お前には……色々なことを教えられた気がするな……。誰かを恋しく思うことなんか……、特に。』
「赤司くん…っ」
『感謝、している。……ありがとう』
かくっ、と倒れこんだ赤司くんの顔は笑っているようにも見えて、泣いているようにも見えた。
「赤司く…嫌、です…。なぜ、なぜ今そんなことを言うんですか…?!
僕は…僕は…赤司くんを…っ」
赤司くんが答えることは無かった。
だって僕は、彼を殺してしまった。
僕のことを好いていてくれた、というのに。
「僕も…赤司くんの所にすぐ、行きますね?」
赤司くんの腹に立つ刃物を抜いて、そのまま自分の首に添えてみる。
……自分が無責任でどうしようもなくて、恥ずかしくなってきました。
ああ、サヨナラです。ゴメンなさい。
せめてもの、償いのつもりです。
なんの償いにもならないかもしれませんが。
赤司くんの元へ。
…さようなら
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