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「ねぇ、赤ちん。なんでそんなに怯えるの?俺のこと嫌いかなぁ?」
『ゃ、だ、来るな…、…っ』
ゆっくりと敦が僕に近づく。
僕は後ずさる。
僕は今、敦の家で監禁に近い事をされている。
昨日…いや、一昨日かな。
凉太に告白されたんだ。
もちろん、僕は敦と付き合っていたから断った。
…でも、敦はそれじゃダメだった
「なんで黄瀬に告白されたか赤ちん分かってんの?ねぇ?」
凉太の呼び方が黄瀬ちん、から黄瀬になっていた。
……両手は縛られていて動くことが出来ない。
「赤ちんさぁ…こんな顔、黄瀬にも見せてたの?ねぇ?ダメだよねぇ、人を誘っちゃ。俺と付き合ってんのにさ」
そう言って僕の顔をナイフで軽くなぞった。
『痛っ…ん…っやめろ…敦…っ』
頬に赤い線が伸び、そこから血がツ…と流れた。
そこの傷口をゆっくりと敦は舐めて囁いた。
「痛みで顔が歪んだ赤ちんも可愛いなぁ…ねぇ、もっともっと見せてよ。黄瀬に見せたこと無い表情見せてよ」
…敦が怖い、そう感じた。
『あ…つし、ごめん、なさ…っ、』
「ごめんなさい?そんな事思ってないでしょ?よくそんな嘘がつけるよね。赤ちんは俺に嘘ついちゃダメなんだよ?」
ガムテープが破られる音が聞こえた。
なんで?敦?僕は敦が大好きなのに。
敦だけが好きなのに。
『ん"ん"っ、ん、』
ガムテープで口を塞がれた。
これじゃぁ敦に何も伝えられない。
外して?ねぇ、敦……
「赤ちんがなに考えてるかわかんないけどさぁ、本当に反省するまでやめないしぃ…。そんな顔、誰にでも見せてるの?震えちゃってさぁ。」
顔の傷を敦の長い指がなぞった。
ヒリッと痛みが頬に走った。
思わす涙を流した。
「へぇ、赤ちんでも泣くんだねぇ。そんなに痛かったの?痛かったよねぇ。
でも赤ちんが悪いんだよぉ?そんな可愛い顔、他の人に見せたりしてるから。」
敦はそう呟いて僕の目を布で覆った。
『……っん"ん"ん"っ?!』
スルっと敦の髪が僕の肩に掛かったかと思うと首を噛まれた。
千切れるのではないかと思うほどの強さで。
…痛みで体が小さく震えた。
『ん"ん"っ…、』
敦が口を離すとそこがジンジンと痺れるように痛んだ。
ねぇ、敦、敦、やめてよ。
僕は敦が好きなんだ。嫌いになんてなりたくないんだ。
「赤ちん…またそんな顔して…俺のこと嫌いなんでしょ?ならなんでそんな顔すんの?」
…嫌いなんかじゃない。
そんな顔?僕は敦にどんな顔をしてるんだ?
……僕は敦の顔が見れないのに。
否定の意をこめて首を振った。
さっきよりも大粒の涙がポロポロとこぼれた。止めようと試みてみたものの、それは成し得なかった。自分の涙さえろくに止められないなんて、僕もまだまだ、だな。
「赤ちん…赤ちん…大好き…」
…敦…、
「だから他のやつに赤ちんを見せたくない。赤ちんを俺のモノにしたい。赤ちんに誰かと話してほしくない。
赤ちんを誰とも合わせたくない。」
『ん"ん……っ、?』
「逃げないようにしないどダメだよねぇ。足おっとこーか。ね、赤ちん。」
あ…つし?嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ。
僕は…っ…
『ん"ん"ん"ん"ーっ‼︎‼︎、ん"、ん"!』
強い衝撃が右足に走った。
そして…ゴキッ、と鈍い音が聞こえた。
痛い。骨が折れたのがわかる。
敦、どこにいるんだ?
敦…敦…
「これで安心だねー、赤ちん。ずっとずっと、一緒にいようよ。」
そう言って敦は僕の目隠しを外した。
そこには泣きながら黒い笑いを浮かべた敦の顔があった。
『ん…、…』
なんで敦が泣いてるんだ?
「こんなことしたから赤ちん俺嫌いでしょ?もう好きになってもらえないでしょ?だから…もうどーでもいい。めんどくさい。」
…?!
「赤ちんこれから俺だけの物ね」
敦は僕の手を握ってニッコリと笑った。
…あぁ、こんな敦の顔が見れるなら僕 はどうなっても構わないな。
『ん……』
精一杯笑顔を向ける。
敦は僕の頭を優しく撫でた。
「赤ちん…大好き」
抱きしめられた。
'僕もだよ、敦'
その言葉は伝えられないけど。
僕は敦のされるがままで構わない。
大好きな敦が望むなら。
何処へも行かない。
敦から離れない。
「赤ちん…もう離さないからね?」
死ぬまで、離さないで…
ずっとずっと、一緒にいて。
『ん…。』
痛みだって、苦しみだって、敦の為なら消しされる。
敦、好きだ。
今までも。これからも。
敦しかいない。
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