アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
忘れないように刻みつけて
-
ワイシャツの上から、腰、脇腹、胸許へと近衛の指先が、なぞっていく。
真っ平らな胸を揉むように掴まれ、親指が微かに盛り上がる乳首を潰す。
「は………っ…」
身体全体を走るぞわぞわとした昂りに、熱い息を零した。
もっと。
もっと、感じたい。
手放さなくてはいけない温もりを、忘れないよう刻みつけたい。
この身体の奥底に。
ぐっと身体を起こし立ち上がる僕に、近衛は押されるようにデスクへと尻をつけた。
唇を舐め犯しながら、近衛の身体を弄った。
まるで、僕が近衛を犯そうとしているかのように。
「んっ………は、っ……」
小さく漏れる音は、喘ぎを纏う。
更に攻め入ろうとする僕に、近衛は背を反らせて逃げた。
「積極的なのは嬉しいけど……、なんか怖ぇ」
とろりと蕩ける僕の瞳。
何を怖がっているのか探ろうと、ふんわりとした視線を投げる。
「なに、考えてんの?」
訝しむような近衛の視線を無視し、顔を両手で包み込んだ。
逃げられないように固定し、僕は、覆い被さるように口づける。
上唇に歯を立て、ぴりりとした刺激を与える。
痛みより、むず痒くなるような力量で、近衛の雄を煽るように、本能を掻き立てるように。
「あー」
鈍く呻くように放たれた声。
悔しげな音を放った近衛は、荒く僕のシャツをたくし上げる。
近衛は、僕が答えをはぐらかしたコトに気づいている。
発情期でもない僕に、近衛の理性を奪うほどのフェロモンは、発せられない。
わかっていて、僕な陳腐な誤魔化しに乗ってくれたのだ。
言いたくなかった。
考えていたのは、変えられない哀しい結末だから。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
38 / 224