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異常
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◇◇◇
異常だなぁと思うことには慣れてしまって、ただそればかりで、現実にまるで現実感が無かった。
だから、あぁやっと、『現実だ』と思ったものだった。
俺を壊して、壊して壊したのは一体なんだっただろう。
ぼーっと、別のビルの屋根に伝って空を見上げたとき、考えた。
俺は、たぶん、死ねと言われたらわかりましたと答える気がする。
怖い、痛いのは嫌。
なのに。
心は痛いのに、そこで傷ついた顔をするということが出来ないのだ。
淡々とどのようにすればいいかをひたすら質問し続けたことがある。
相手が、悲鳴をあげたのは驚きだった。
やめてくれ、そんなつもりじゃないんだというそれを聞きながら、ぼーっと怒りが込み上げてきた。
『そんなつもりじゃないのに言いやがったのか、ふざけるな、そんな気軽な気分で――』
ずっと一緒だと言っていたものがずっと一緒だった記憶は無い。
死んだり、いなくなったり、おいてったり、俺じゃない誰かを好きになるから。
どうせ変わる。
変わるたびにいつも取り残される。
そのたびにいつも、俺は孤独になる。
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