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08.dragon
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目的を奪う、自由を縛る、それもまた、『正義』の押し付けから始まる。幸か不幸かなど、誰が知るのだろう。
小さな頃、能力者が出てるテレビに釘付けになった。同時に。俺は、ああはならないと決めた。
苛つく。
俺らは、ただ現実を淡々と並べるだけ。
でしゃばって余計な感情を込めるなど美学に反する。
見え方は誰かが決めてはならない、幸も不幸も、主観を入れてはならない。それが決めつける結末は、いつも腹立たしいから。
それをわざわざ可哀想とかの主観を付け足してドラマチックな脚色をするやつらが心底嫌いだから
あいつらみたいにはならないと、そう決めていた。
――同業者と名乗るやつらからの妨害を受けたりしたこともあるけれど。
彼らと同じ位置になど最初から居ない。
勘違いをされても困る。
同じ位置、になりたいわけじゃない。
事実は事実だし現実は現実。
無駄な感情は込めない。
あいつらみたいに、脚色で可哀想だのなんだの、他人の人生を決めつけるような表現をしてたまるか。
あいつらにだけは、死んでもなりたくなくて。
目指さないことを、目指してきたんだ。
意地でも、同じ位置に立ちたくないからこそ、違う場所にいるし、そいつらなど別に眼中にない。入れてはならないと、忌避しているから。
そう言ったのは、俺だったのか。
それとも、色だったのだろうか。
似たようなものな気がする。
同族になることなど無いし、溶けて混ざり合うことも無い。
水と油のようなもの。
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