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誕生日 18
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「今更だが欲しいもんとかあるか?誕生日プレゼントなんかあげたことがねぇからよく分かんなくてな」
すぐ目の前を横切ったほたるに驚き、躓きそうになってイカリさんに支えられた。
首を振ってイカリさんの服を掴む。
いらない。もうこれ以上、何もいらない。
いっぱいいっぱい貰った。
たくさん溢れすぎて、抱えきれなくなってしまうくらい。
「ほんと物欲のねぇ野郎だな。物じゃなくていいんだぞ、何かしたい事でもねぇのか?」
イカリさんはいつもこうやって俺に答えを求める。
俺には、何も無いのに。あなたに貰ったものに返せるものを、俺は何も持ってない。
「………………あーあ、さみぃなー。シロが答えるまで帰れねぇなー」
「……あ…」
急にわざとらしく言葉を伸ばすイカリさんに動揺する。
イカリさん、寒いって。
でも今は服も着てるし、水もかかってないのに。
寒いのは嫌だ。
俺が答えないと、イカリさんは寒いまま。
何か、早く答えないと。
「…………っ、ぁ、あし…………たぃ…」
「あ?」
「………明日も、イカリさんといたい……」
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