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誕生日 19
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いつまで一緒に居られるかわからないから、
せめて明日だけでも、
もう少しだけイカリさんのそばにいたい。
明日だけでいい。もう一日だけ、捨てないで。
「そんな事かよ」
呆れているのか、「あのなぁ」と面倒くさそうに言われて、自分勝手な望みを言ってしまったことをひどく後悔した。
俺を捨てるのも捨てないのも、全部イカリさんが決めることなのに。
俺なんかが口にしていい事じゃなかった。
イカリさんが手を伸ばすのが見えて、殴られ慣れた体が硬直する。
その手は体のどこにも痛みを与えることなく、俺を胸に抱き寄せた。
「そんなの当たり前だろ。むしろこっちからお願いしたいくらいだわ」
「………?」
頭上で聞こえる言葉の意味がよく分からない。
”お願い”ってなんで?
どうして当たり前なの。
「ずっとここに居ていい。明日もその先もずっとお前と一緒に居たいっつうのは、俺の願い。お前がいつか俺から離れたくなった時は好きにしたらいい。お前はもう自分の自由を自分で決められるんだからな。
まあ、そうならねぇように俺の事を好きになってもらわねぇと困るけど」
「………………」
すき?
それ、なに。どうやったらなれるの。
「お前が好きだからずっとそばにいたいし幸せにしたい……っつう俺の渾身の告白伝わってねぇだろ」
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