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居場所 1
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まーくんの後ろについて行き出口を探す。
「まーくん……」
「なに〜?」
「ここ………さっきも通った」
「…………」
「迷子……?」
「迷子じゃないから!失礼な、帰り道くらい覚えてるよ。
迷ったように錯覚させるために同じような造りになってるんだと思う。それにほら、さっき通った時にこの花瓶の前に置いた飴がなくなってるし」
そんなことしてたんだ。気づかなかった。
色々考えながら歩いてるんだなと感心する。
俺一人だったらきっと一生出られなかったと思う。
ミヤビさんがずっと探しても見つけられなかった出口を、どうしてまーくんが知っているんだろう。
「まーくん、どこから、入ってきた?」
「ふつーに窓から」
窓から入るのは普通なのか。
「簡単な造りだったから、ちょおっとカチャカチャってしたら入れちゃったんだよね〜。そんでしばらく家の中探索してたら監視カメラの映像を見れる部屋を見つけて、そこにおじさんが帰ってくるのが映ってたから待ち伏せて一緒についてきたってわけ」
ひーくんがあの外国人の子と仲良くお喋りしてるのもバッチリ映ってたよ、と言われてミヤビさんの事を思い出す。
赤毛に緑色の眼をしていたし、外国人だと言われても納得する。
ミヤビさん、ちゃんと逃げられたのかな。
「本当はおじさんがひーくんのところにたどり着く前に鍵を奪いたかったんだけど、なかなか隙がなくてさ〜。隠れながらついて行くのも苦労したんだよ?」
外から入るのは簡単でも中から出るのは鍵が無いと難しく、鍵を奪うために俺たちの前に現れてハラセさんを眠らせる作戦に切り替えたらしい。
全て作戦通りにいって手に入った鍵をくるくる指で回しながら、行き止まりで「出口とうちゃーく!」と回していた鍵を掴んだ。
「……?出口?」
どう見ても行き止まりで、出口らしきものはない。
不思議に思ってまーくんを見ると、まーくんはスタスタと壁に近寄り、飾ってある絵画をぐいっとずらした。
「あ」
絵画に隠されていた壁には小さな鍵穴があった。
まーくんがカチャカチャと鍵を開けて壁を押すと、壁だと思っていたそれはギィ、と開いてまた廊下が現れた。
人ひとりがギリギリ通れる大きさの小窓があり、あそこから入ってきたと教えてくれる。
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